【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1381.小休止
『お、おい、大丈夫か? お前、人間だよな?』
「お、おう…… ま、まあ瀕死だけどな…… お前魔獣か? 回復は?」
瓦礫の中から立ち上がったレイブは、片方の眼球を飛び出させ、側頭部もごっそり抉り取られて、何か出ちゃいけなさそうな液体まで零れている。
言葉の通り瀕死らしい、ってか起き上がれるのが淒いのだが……
化け猫改めネコっぽい魔獣は答える。
『いや回復は出来ないんだ…… えっと、『治癒』でもいいか?』
「早くしてくれ、死んじゃうだろ」
『お、おう『治癒』』
スキルの発声と同時に、柔らかな薄光が頭部を中心に包み込む、どうやらガチで魔獣だったらしい。
掛けられ慣れているペトラの回復とは比べるべくも無いものの、自身の治癒力を向上させる暖かな波動を感じ取ったレイブは安堵の嘆息と共にその場に座り込んだのである。
「ふー助かったぜー、んでも暫らく敵を引き離しておいてくれよ? まだ脳的なヤツが流れ出ているからさ! 死なせてもやだろ、お前的にもさ」
『判った、けど、治り次第手伝ってくれよ?』
「あいよ! ふー参ったぜー」
一息吐いて改めて状況を見回したレイブは考えを巡らせる。
――――アレだな、えーっと、アレがアレだったのもアレだが、それよりも、このアレがアレだったとは驚いたぜ! ……驚いた、かな? 驚くと言うよりぃ…… そうっ、アレだったんだよアレ! アレって何だったか…… 駄目だ、思い出せん…… 俺は一体どうしてしまったと言うのか…… こんなアレな状況だと言うのに! …………アレ?
全く要領を得ない理由は明らかだ、今現在進行形で流出しているシナプスの欠損に他なら無いだろう。
普通なら死ぬからね? 間違いなく!
しかし、そこは色々普通ではないレイブの事だ、猫っぽい奴に掛けて貰った『治癒』のお蔭か、それとも内包している魔神アスタロトが持つ自己治癒能力、所謂自己再生による恩寵か、はたまた持って産まれた野生児ならではのしぶとさ故かは定かではないが、こうして無駄な考えを巡らせている間にもグズグズ崩れていた即頭部は見る見る元の形状を取り戻し始めて行き、あまつさえ周囲にまき散らかされていた内容物、はっきり言えば脳漿までもが自律してモゾモゾと這う様にしながら、元々在った収まるべき所へと戻り始めていたのである。
中々の化け物っぷり、そう表現すればお判り頂き易いのかも知れない。
その上で胸元から取り出した乾燥果物まで齧りだした辺りは豪胆と言うよりも無神経と呼んだ方がしっくりくる。
考えようにも纏まらないから、そんな判断の結果なのだろうが、両足を放り出してボーっとしている様は、周囲の戦闘風景をバックにすると馬鹿のそれにしか見えない。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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