【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1249.アイユの里
獣人の国、アイユの里の風景は、レイブが初めて見る外観をしていた。
里を囲んだ柵は非常に簡素な作りをしており、他の里で見られる様な堅牢さは微塵も感じられなかった。
当然、堀や跳ね橋など有りはしない。
レイブは驚いていたが、観察にお付き合いいただいているオーディエンスの皆様にとっては、極々有り触れた田舎の牧場っぽい柵、そう思っていただければ間違いないだろう。
とはいえ、モンスターが我が物顔で闊歩しているこの時代においては、のどかさよりも非常に心細く頼りなく不安気にしか感じられないのだが……
ミロンやブロルが言っていた通り、モンスターや魔力災害の襲来を考えていない事が、この様な構えを実現させているのだろう。
特にレイブの目を引いたのは、柵の外に出て駆け回っている獣人の子供の存在であった。
熊や豹、鹿に狼、狐など、ペトラ的に言えば目や属、科や種に関係なく笑い声を上げて走り回っていた。
あー、そう言えばニンゲンだと自称していたな、ならば少なくとも科まではヒトなのかな?
どちらにしても、堅牢な柵や壁の内側以外で、大人の警護もなく子供だけで遊びに興じる姿は、レイブやペトラ、ギレスラには初めて目にする光景だったのである。
柵の切れ目、二本の柱が距離を置いて立っているだけの入り口らしい場所に近付いた一行に、丁度里の中から出てきた牛顔の獣人が声を掛けてきた。
「おやミロンさんお帰りなさい、お客様ですか?」
「ああ、こちらはテューポーン様と仰る神様のご一行だよ、ええっと元、魔術師の――――」
「放浪者のレイブだ」
『その一味、ギレスラだ』(キリッ)
『一味の紅一点、ペトラよ』(ニヤリ)
どうやら気に入っているらしい、揃って精一杯の悪ぶった表情を浮かべている、楽しそうでなによりだ。
「へー神様の、一味? ですかぁー、それはそれは! 良くおいで下さいましたねぇ、何も無い所ですがごゆっくりして下さいませぇー、でわでわぁー」
牛顔の男性は多少怪訝な表情を浮かべた物の、取り繕う感じの笑顔で去っていった。
囲いから出て畑の世話でもしに行くのか、鍬を背負った男は何度も小首を傾げながらのんびりと歩いている。
その後姿を目で追ったレイブは改めて感じた事を言葉にする。
「本当にモンスターや魔力災害を恐れていないんだな…… こんな場所がこの世に存在していたなんて…… 驚いたよ」
この言葉に答えるでもなく、ペトラは自分が思った事を口にする。
『それより見てよお兄ちゃん達! ここの建物って面白いわよ? 色は違うけどどれも同じ建物に見えるじゃない! 何なんだろうねコレってぇー』
なるほど。
ペトラが見ていた囲いの中、集落に立つ建物は、見える範囲で確認できる数十件全てが同じ建物に見える。
皆さんに馴染みの言葉で表現すれば建売住宅のそれ、そんな感じなのである。
それも外観の類似性だけでなく、建物の立地角度、隣家や通りとの間隔まで画一的に整えられているようで、ペトラの言葉通り、違っているのは外壁や屋根の色だけ、使い勝手も日照量もまるで同じなのではないかと推測できた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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