【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1588.先人の遺物
「んで? 食べ物って何を食べるんだ?」
「吸血鬼ですからね、血ですが?」
歩調を揃え様と減速したレイブに対して、並ぶ事が礼を失するとでも考えたのだろう、更に歩みを遅らせたヴラド、自然後続の女子二人との距離が詰まっていた。
「正確には生き物の血、つまり生き血なんです♪」
「生き血? まあ、そっか、そうなるよな」
「おや、驚かないのですね」
「まあな、他所の食生活にとやかく言うのってアレだろ、独善的? やだろ、そーゆーの」
「これは! 恐縮です」
「いつも気味悪がられるんだけど、そんな風に言って貰えて嬉しいわ! ねっ?」
「快然たる心地……」
「んなオーヴァーな、普通だよ普通」
確かにお前等からしたら普通の範疇だろうな…… 何しろ、ちょっと前まで血どころかモンスターの体液全部搾りが主食だった猛者だからな、こいつ等。
褒められてご満悦なレイブの舌は滑らかさを増す。
「で血って事は刃物か何かで切って容器とかに集めたり? それとも傷口から直で吸う感じなのか?」
何だこのセリフ……
「マナナンガルは舌が鋭利な管になっていましてね、それを刺して吸血するんです、我輩達は牙ですね、ほらあんな感じで首筋から吸うんです」
「ガブリ!」
「ヒヤァァァ……」
ヴラドの言葉に合わせてリーエがドルドナの首に牙を立てている。
ドルドナは目を瞑り手足をバタつかせて苦しそうな表情まで浮かべたりしている、中々完成度が高い所を見ると実演は初めてでは無いらしい、どこでやったのか非常に気になるが、恐らく令和時代の真なる聖女辺りに強要されたのではないだろうか? きっとそうだ。
小芝居の上から長い首を伸ばしたギレスラの声はどこか慮りを帯びている。
『おい、対象の生き物は何なのだ、この坑道の外には我等の仲間がいるのだが?』
ヴラドは即答、少し慌ててもいる様だ。
「マナナンガル達でしたら好き嫌い無く何でも…… お仲間にモンスターや野生動物も居られたりしますか?」
『ふむ、その言い様だとモンスターや野生動物を狩るのだな…… いないよな、レイブ?』
レイブは指を折りながら答える、意味は不明だ。
「だな、グログロも帰ったしニンゲンと魔獣、あとドラゴンが一匹だけだもんな、それにバッタ、昆虫…… も、もう珊瑚や露草も、いないし、な…… グスッ」
まだ引き摺っていたのか…… あの殺され掛けた吸血ランプリーだよな、確か?
ああ、同じ吸血生物に会って思い出しちゃったとかそーゆー?
小っちゃなバッタに慰められている兄に代わってギレスラが返す。
『でどうなのだ? あの上半身はニンゲンと魔獣、あとバッタには襲い掛からないのか?』
ヴラドはどこかホッとした感じで答える。
「ええご安心を、かつてニンゲンや魔獣、悪魔に手を出さない様、しっかりと躾けられましたので」
「あの納骨堂の狂気ったら…… マナナンガル達の魂にも焼き付けられている筈だわね……」
「それに何日も続くご飯抜き…… 思い出すだけで暗澹たる気持ち……」
おう、こっちは因業坊主、もとい、聖魔騎士様が仕込み済みだったみたいだな、良かった良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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