【1941話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1941.良いの~
『儂なんぞ依り代との交流が面倒になって、まんまモノばっかりじゃがな! 今のオサガメの前は腰蓑じゃったし』
そうだった…… こいつウラシマさんの腰蓑だったんじゃん! しかし散々依り代の特殊性を語った後で、まさかのモノのが良い発言、か…… これじゃそこらの道具と一緒だよ? 宣言になっちゃうじゃん。
「今の姿、そのオオガメは依り代なんだ?」
確かに、発言からすればこれも無機物製の玩具かも知れんな。
『うむ、あの日、コユキと善悪が封印された時、近くにいた全ての依り代もとばっちりでな…… 儂としてはあっちのが良かったんじゃがこっちも悪く無いじゃろ?』
なるほど、デイモス戦に旅立つ前ナガチカが封印してたっけな…… あの時、腰蓑からオサガメにね~、しかしあれだな、聞き方、生き物でも服みたいな感覚なんだな、似合うかな? 的な感じだ。
「あ、う、うん、良いと思うよ! なんてーの? アスタさんがいてくれるだけでもうお腹一杯な感じ!」
嘘吐いたなレイブ。
『フォフォフォ、それなりに気を使える歳になったか、良き良き♪ ところでレイブよ、お前の横に居るドラゴン、ソレ良いのぉ~』
ん? ああギレスラか! カメの視線の先には放置されて久しく、観客がいない事でモチベも保てなくなり、揃って俯く竜王グラムランドと赤いニーズヘッグがバツの悪そうな顔を並べている。
レイブはキトラに答える。
「ギレスラだよ、俺と同じハタンガの生き残り、最後のニーズヘッグだよ! 長老なら知ってるかと思ったんだけど?」
『ほぉ~! ハタンガの生き残りかっ! ますます良ーのーっ!』
「え? まあ、うん……」
垂れ下がった上瞼を見開いてキラキラとした瞳で見つめる長老キトラ、視線に気がついたグラムランドが顔を寄せて問う。
『アペプ様、どうされた? むふふ、余の何が良いのかな?』
『お前じゃ無いわいっ! どかんかっ、あの美しいニーズヘッグが見えんじゃろうがっ!』
『なっ? 美しい? あんなのは只の根っこ齧りの毒蛇っ! 余の方が余程――――』
『邪魔じゃ、除け』
『ななぁっ! 無礼なっ! 如何に本国の副王と言えど――――』
『まあまあルッカ、年寄りの言う事ですって!』
『牛のしりがいって奴っすよ! 気にしないに限るっす!』
それどっちかってーと気にしろの意味で使われる奴だぞ?
『むうぅっ!』
『ほら、良いから退いときましょ? ねっ?』
『亀の甲より年の功っすね?』
それは判り難さの極致だろ? 亀だし……
とは言え、レオニードに促されて渋々場所を空けるグラムランド、礼も無しに代わってギレスラを覗き込むキトラは今にも涎を落としそうな下卑た顔で話し掛ける。
『のうギレスラとやら、物は相談じゃがのう、お主、我等が神の依り代になってみぬか?』
ギレスラは露骨に顔を歪ませて返す。
『南の沼の長老か…… 生臭いのだ! グラムランドのがまだマシだったのだ』
『なんじゃとっ、このチビがっ!』
『ね、根っこ齧り、お前……』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡