【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1263.二人称
ある程度の間隔で無造作に足元に転がされる魔石を空にしては、邪魔にならない様にそっと戻す行為を繰り返しているとギレスラの嘆きが聞こえてくる。
『駄目だな、何度繰り返しても我が充填した方は光らん…… はあ~ぁ、もう一度だけやってみるか~』
言いながらこれまでより幾分乱暴に放って寄越した魔石がレイブの足先に当たる。
足指に感じる僅かな痛みをおくびにも出さず、レイブは無表情なままで魔石を空にする為に手に取っている、サポートに徹するこの姿勢は高評価だろう。
『こんなの何度繰り返しても同じ結果しか出ないわよね…… 次のが予想できるもの、アタシだったら一瞬だけ光ってギレスラお兄ちゃんだったら光らない…… もう、予想ってより予知レベルで言い切れちゃうわね』
『うーむ…… 何かが違うんだろうなぁ~、我の魔力とペトラの魔力、それに最初に充填されていた魔力の違いがある筈なんだが~』
『結局そこに戻るわけなのよね~、二つの魔力の比較だけじゃ判らないわよ~、せめてもう一つ、もーうひとーつ充填させられればなぁ~』
『おいおいペトラ! もう少し小さな声で言えよ、ほら、聞いてるではないか』
自分の数倍は目方があるだろう巨大な豚猪の視線がチラチラ所かザクザク刺さり、気のせいかいつもより無感情に聞こえる竜の声には強烈な非難の意思が感じられる。
レイブは角を見つめたままで掠れた声を出す。
「み、三つめの魔力ならあるじゃないっすか?」
『えっ、出来る様になったの? いまさら?』
『このタイミングでか? おい、見栄張っちゃいかんぞお前! お前には判らんかも知れんが遊びじゃないんだからな!』
『ホントよ、アンタ』
既にお前とアンタ呼び……
出来もしない事を擬似申告したと疑われた名も無き魔石吸収要員は俯き気味で愛想笑いを浮かべて答える、瞳は既に死んだ魚の如し。
「いやあるじゃないっすか、まだ空じゃない魔石なら三つも残ってますよね? 部屋の隅に、えへへ」
『うっ! 確かに…… ねえギレスラお兄ちゃん、コイツ、ううんレイブお兄ちゃんの言う通りだわ!』
『あっ、本当ではないか! こりゃあ迂闊だったな! やるなお前、お手柄だぞ!』
「はははっ、そいつはどーも……」
相変わらず卑屈な笑いを続けるレイブの視線は角を凝視したままだ。
恐らくギレスラの二人称がお気に召さないのだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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