【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1293.賛否
ガトは大きく一つ息を吐いてレイブを見つめた。
その目にはつい先程まで浮かべていた呆れや軽蔑は既に無く、真剣そのもので何かを訴え共有しようとする、一途な願いが込められている。
急激に緊張を高めるレイブに投げ掛けられた言葉はこうだ。
「この里ではダソス・ダロスを、いいえ、代々の森王、そう呼んだ魔獣達を生贄に捧げて来ているのよ! ここに暮らす人獣掛け合わせた住人、獣人達の安寧の為、只それだけの為にね…… 全ての苦しみを魔獣に背負わせて自分達の日々を維持してきたのよ…… で、今はアタシがその役を引き受けてるって訳よ! 贄なのよ贄、ニッエェーィ!」
「『『えええぇぇぇっっっ!』』」
スリーマンセルの驚く声が里の中心、迎賓館前の広場に響き渡るのであった。
その叫びに引き寄せられるように、周辺で取り巻いて聞き耳を立てていた獣人達が四者を取り囲むように距離を狭めて口々に異論を述べてくる。
虎のミロンは言う。
「ちょっと待って下さい! 栄えある森王の仕事が贄だなんて…… 酷い言い掛かり、誹謗中傷も良い所ですよ! 全ての魔獣が憧れる名誉ある役目が守護者であり恵み手でもある『森王』なのです! 事実、我々は代々の森王に畏敬と尊崇を抱き日々感謝を絶やした事など無いんですから!」
ミロンの足元には、縋りつくように彼の太腿を抱いて顔を覗かせている、良く似た虎顔の子供がこちらを見ながら頷きを繰り返している。
頬の肉付きの薄さやニンゲン部分の体躯の華奢さ加減から女性だと思われる。
レイブは聞く。
「ミロンの娘さんかな? 君もお父さんの言う通りだと思っているのかな?」
この問いに、虎少女は無言のままで更にコクコクと頷きを繰り返した。
その姿を見ながらレイブは確信めいた口調で呟きを洩らす。
「ふむ、こんな純真な子供が嘘を吐くとは思えない、って事はガトの勘違い、若しくは思い込みから来る誤解なんじゃないか?」
この呟きにガトは振り向きざまにレイブの肩を掴んで猛抗議だ、豊かな胸元が揺れる。
「違うわよレイブ! 森王はこの森に張る結界と毎日の再生雨を降らせる為の燃料に使われてるのよ! その為の膨大な魔力を森全体から吸い上げる金属板、アーティファクトの傍らから離れられなくされているのよ? 絶対勘違いとかじゃないんだからっ!」
「お、おいおい落ち着けってぇ! こぼれる、こぼれるってばぁ、おほっ! うひょひょ♪」
言葉とは裏腹に落ち着いて欲しく無さそうな声を発するレイブは幸福の只中にいるようだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡