見出し画像

【1808話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1808.言い訳


 疲労困憊のレオニードからは、既に主役としての不撓不屈ふとうふくつさは消え失せていた…… もうたわみ捲って屈し捲りだ。

 レイブは表情に呆れを滲ませながら答える。

「そう思うんなら一所懸命にやらないと! 俺だって弟妹を放置したくなんて無いに決まってんじゃん!」

『だ、だったら――――』

「休んでいる暇なんか無いだろ? そもそも誰のせいでこんな事になっているんだ? あれか? 自分なりに一所懸命なんだから結果とかどうでも良いとか、そーゆーアレか? あーあー、あーあーだよ、全くぅっ!」

『いや俺、私の為に苦労を掛けている事なら充分理解しているつもりだよ…… だからこそ亡骸を、ほら、埋葬とかさ? 感謝を込めてとかそーゆー――――』

「そっかそっかー、思った通りにいかなくて飽きたとかつまらないからじゃなくて被害者への感謝からの発言なのかー、そーだよなー、死屍累々、被害甚大なこの有様でグルグルを休みたいからな訳無いよなー、万が一そんな風に自分の気晴らしの為に死者を扱ったりしたらトラ非トラ所か哺乳類非哺乳類、いや、生物非生物とか呼ばれる化け物野郎だもんなー、そーだよなー」

『ぐっ……』

「まさか自分が休む為の理由にされるとは…… 息子だって含まれてるのにだよ? 急ぐ理由は無いだとか明日でも良いじゃんだとか? いや急げよっ、今日やりゃもっと良いじゃんっ、ちぇっ、やる理由はてんこ盛りな癖にやらないで済む言い訳ばっかり並べやがって…… あれか? ダイエットは明日からとか、万が一明日世界が滅んだら今日やったトレーニングが無駄になるとか、転生してチートになるから今生は頑張らなくても良いとかそーゆー馬鹿みたいなぁ――――」

『グルグルグルグルッ! グルグルグルグルグルグルグル――――』

「…………良しっ」

 紆余曲折、ありがちな挫折を回避したレイブとレオニードの特訓は続いた。
 かなり利いたのか、今度は弱音を吐く事も無く更に小一時間、再びグルグル発言を中断したレオニードは俯き加減でじっと何かを考えている様だ。

 レイブの叱責は呆れ混じりだ。

「どした? また弔いが気になっちゃったかー? さっきのも一度言って欲しい? 忘れちゃってたー、ってかー?」

 顔を上げたレオニードは抗弁を試みるでも無く、真っ直ぐにレイブの濁った目を見つめながら返した、キラキラと外連味けれんみ欠片かけら一つ無い澄み切った瞳で、である。

『ちょっと何か判ったみたいでさ』

「ほう、言うな…… 良かろう、その戯言ざれごと、聞いてやるよ」

 ほんの二時間弱で大分悪役っぽくなったレイブにレオニードは語った、根は素直なトラらしい。

『この辺り、胸の下周辺から違和感? 熱い様な冷たい様な? これが魔力かな? これを全身、特に下半身に巡らせるのかな、って…… でも膨らんだ顔から持って行きたいんだよな? ふむ、どうした物かぁ……』

 ほー、大した物だ、独学の出鱈目でたらめでそこまで辿り着くのは結構ムズいだろうに、まあスリーマンセルとかバストロ、他の悪魔憑きは例外扱いで良いだろう。

 一日の長を有するレイブの言葉はメッチャ厳しい。

「んなんじゃ全然足りない、正に戯言レベルだよ兄貴…… もっと全身、端から端までグルグル行き渡らせないと話にも何にもなりゃっしないぜ? 良い? 死んでるんだからさっ、色々とっ!」

 唯一無二で掛け替えの無い弟妹と眷属ミロブロ、それに他なら無いレオニードの一粒種ひとつぶだね、パダンパの死をも一過性の出来事っぽく言えちゃうレイブ、それよりグルグルの習熟の方が重要だと言わんばかりの言い草だ。

 ここまで二時間を費やしたレオニードは言いなりだ、最早軽く洗脳されていると言っても差し支え無いだろう、狂信のスタート地点に達している。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU

いいなと思ったら応援しよう!

KEY-STU|小説|イラスト|フォロバ100 励みになります (*๓´╰╯`๓)♡

この記事が参加している募集