【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1385.ホラー
雨を避けて森の中を駆け巡るハメになったパダンパは、程無くヒトっぽい生き物が集まっている集落を見つけたそうだ。
この罠から近い事を鑑みても間違いなくアイユの里の事だろうが、話のスピード感を重要視しているレイブはその事には言及せずに、頷きを返すだけで済ませたのである、聞き上手と言って構わない所作だろう。
恐ろしい雨からの避難場所を見つけたパダンパは、喜び勇んで集落に近付いていったそうだ。
この段になると、パダンパはレイブに向けて顔を寄せ、声を密やかな物に変えて言葉を続けた。
『そこにいたのは、ヒトでは無くて、なんとモンスター、キマイラ共だったのです』(コソッ)
「なるほど」
続けてキマイラの特徴、ニンゲンそっくりな体に多種多様な獣をミックスした様な姿の奇怪さ(自称ニンゲンの獣人達)、危険極まり無い雨(癒しの再生雨)に打たれながらの不気味な祈りの儀式、更には集落の中心辺りの建造物が前触れも無く吹っ飛んだりした一部始終 (これはスリーマンセルのせいです)、加えて天を衝くほどに巨大な豚猪が不意に現れ、また不意に掻き消えてしまった顛末 (こっちはガトでしょう)について一気に語り切った時、パダンパは大きな身震いと共に同意を求めるかの如く、じっとレイブの顔を覗き込んで聞いたのである。
『ね? 原始的で醜悪そう、如何にも化け物共の風習っぽいでしょう』
「確かにな、それで?」
レイブは話の両面から関わっている為、色んな誤解の存在に気が付き捲っていたが、話の先を進めたい一心から、敢えて流してみることにしたらしい。
自分の抱いた感想に同意して貰えたと思ったパダンパは、文字通り、我が意を得たり! そんな感じでその後についても語ってくれたのだ。
化け物の集落(実はアイユの里)からそっと離れたパダンパは、程近くにあったこの溝、罠の中に身を隠したのだと言う。
深く掘られた穴とは言え、雨を完全に避ける事は不可能だったが、化け物たちに見つからない為と、夜まで待って脱出を図る為(猫は夜行性)にも体力を温存しようとの考えからだったらしい。
人気の無かった階段を降りて、ここ底に到着した後は、壁の窪みに身を寄せてじっと雨の止むのを待っていたそうだ。
「ん? その時はまだこの変なバイコーンはいなかったのか?」
『いなかったんですけどね、ところが雨が止んで少ししたら――――』
パダンパが続けた話は丸っきり怪談であった。
雨が止んでホッと一息ついた直後、周囲から何やら不穏な音が聞こえてきたと言う。
確かに無人だったのに? そう思って音がした方向を振り返ったパダンパが見た物は、土の中や隅の暗がりから現れたバイコーンの群れだったそうだ。
次から次へと現れるバイコーンは一匹残らず体のどこかに大怪我を負って見え、そのせいか動作もあからさまにぎこちなく、感情の感じられない瞳と艶の欠片も見えない黒い毛皮がまるで『死』そのものを暗示している様に思ったと言う。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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