【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1656.放物線
「ま、そう言った訳だからよ、他の奴等が感付く前にこの馬を隠しちまってよ、そしたら隙を見て二人で林の中を探そうぜ! なドレル?」
「お、おう! 判ったぜ! 俺はアンタについて行くぜコスタチ!」
「良し!」
当事者二人にとって何が良いのかは定かでは無いが、この展開はことカーミラ個人の視点からは好都合であっただろう。
素朴で単純な二人が再接近中の探索者、しかも財貨に貪欲そうでそれなりに権勢欲や出世欲も持ち合わせているらしい。
調略をもって篭絡する相手としては理想的な性格だと言える。
うまい具合に取り入ってこいつ等が望む条件を甘~く囁いてやればコロッとこちらに寝返ってくれるだろうし、提示する条件的にも大変お買い得な感じがプンプンする。
恐らくパン焼き担当大臣とかレンガ生涯積み放題とかで充分だろう、若しかしたらレンガの方はブロックを積む玩具的なヤツでもイケるかもしれない、コスパ的に見逃し難い秀逸な馬鹿なのだ。
この子供騙しに容易く騙されそうな二人は、自分達が口にした通り、夢への第一歩としてやせ細って絶命していた馬の亡骸を目の前の林の中、こんもりとした茂みへと投げ入れて隠した。
そうしておいて満足気な顔を見合わせて頷き合うと、言葉も交わさず目の前の茂みに向けて放尿、所謂立ちション及び連れションを決め込んだのである。
戦いの緊張で尿意を失していたせいか二人とも自らが想定していた以上の大量の放出であった。
美しい二本の放物線が向かう茂みの中には、這い蹲って気配を絶ち続けていたカーミラが、背中と腰に死んだブレオの重み(色んな意味で)を感じながら、頭から顔に流れ落ちる黄金水の不愉快な匂いに顔を顰めつつ突き上げてくる憎悪と必殺の覚悟、脳内に自然に沸き起こる殺し方百選の実行を無理矢理押さえ込む努力を続けていたのである。
コスタチとドレルの二人は千載一遇の出世チャンスを知らない内に捨て去った、いや排出してしまったと言うべきだろうか。
すっきりしたコナモノコンビは周囲を見回した後、身を屈めて藪の中へと姿を消した。
直後、この世からも一旦姿を消した二人はその後、人間をやめた。
人として見た最後の景色は、踏み込んだ足に噛み付いてニッタリと憎々しげな笑みを浮かべる美しい少女が見せる復讐を果たせる歓びの狂気であった。
希薄であっても希少なダキアの血を吸収した少女が丘の上から生命を消去するのに多くの時間は掛からなかった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡