【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1770.シェフの拘り
レイブは真剣な表情で焼き魚を煽ぎながら返す。
「へー水だけ? でもそこらに雑草とか生えてんじゃん、アレ食べれば良かったんじゃ? 俺の知り合いのネコ科 (パリーグとパダンパ)なんかたまにムシャムシャやってるけどなぁ?」
『うむ、それで何か戻したりしているのだ、定期的に』
『それ毛玉吐く時にやってるんで食べてる訳じゃないんですよ? ホラ、ネコ科って基本肉食でしょ?』
『目も食肉目って位だものね』
『でしょ? もーおー意地悪しないでお魚くださいよー』
最早はっきり食べ物を乞うジャガランディ、クレクレ君化が著しい。
嘆かわしい事この上無く図々しい来客にも我等がニーズヘッグはいと親切だ。
『レイブ、我が低温のブレスで冷ますのはどうであろうか?』
なるほど、尤もだ。
「そうだな? 確かにそっちのが手っ取り早――――」
『駄目よっ! 急激に冷ますと折角美味しい油が凝固しちゃうじゃないのっ! 食材は勿論、料理と言う文化自体にも最低の侮辱行為だわっ!』
「そっか」
『えー死んじゃいますよー、匂いだけなんて拷問ですよー』
ペトラの完璧主義は初対面の相手には伝わり難い。
食、取り分け他者の満足度への追求には手抜きとか惰性とか何と無くとかの妥協っぽい事の一切を排除しているシェフ・ペトラのマエストロ魂が叫びを上げさせる。
『キイィーッ! 駄目って言ったら駄目なのよぉっ! そもそもアンタが臆面も無く物乞いに来たからコッチは心尽くしの精一杯を頑張り中なんじゃないっ! 気に入らない、ってか拷問とかノタマうんなら帰って良しっ! そこらの目に付かない場所で飢え死にしなさいよぉっ!』
ペトラがキレた、仕方が無い、なにせまだ多感な年頃、こう見えて思春期なのだ。
『いえいえっ、待っています、待たせて下さいっ! 匂いだけでも充分でっすっ! すぅーはぁー、ああ美味しいっ! これだけでも幸福の絶頂なのに実際食べたら、私どうなっちゃうんだろー? 楽しみでっす!』
『ふんっ! ワザとらしいっ! 大人しく待っていなさいよねっ!』
『うぃっ!』
ふむ、中々調子が良い、所謂如才無いタイプらしいな、このジャガランディ。
ヘラヘラ愛想笑いを浮かべながらもフラフラして今にも召されそうなネコ科の姿に、見兼ねたギレスラが荷物の中をゴソゴソやって声を掛けてあげる、優し過ぎだろ? 普通なら追い立てる場面だと思うのだが…… ※あくまでも観察者個人の意見に過ぎません
『それ程飢えているのであればコレでも摘んでいるが良い』
差し出された赤い粉の包み、魔獣にはオヤツ、転じてモンスターには致死性の毒物、タンバーキラーを即座に受け取った野良猫は喜色満面だ。
『アザースっ! ゴチになるっす! ウッヒョゥ♪』
手放しで随分軽薄に受け取った泥棒猫にシェフの声が投げ掛けられる。
『馬鹿みたいに食べるんじゃないわよっ! ご飯前なんだからっ!』
『は、はいっ! 判ってるっすよ~、味見的にちょっとだけ、舐めるだけっすよ~、エヘヘ』
『ふんっ!』
「まあまあ、タンバーキラーだったら腹が膨れる事も無いじゃんか、飢えてるんだから何か入れておいた方が良いだろ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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