【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1298.風雲急
肩を掴まんばかりの迫力に、ミロンは目をパチクリさせて息を飲み、シュカーラは涙を流すのを止めて質問に返す。
「余った魔力は再生雨を起動させた本人、金属板を持つ『森王』へと還流させられるんですよ! これも術者が魔力切れを起こさない為のセーフティプロトコル、所謂、安全装置みたいな物だと聞いていますが?」
「どうしたのよ?」
歩みを止めた事を訝しがってか、先頭を進んでいたガトが戻って来て聞いたがレイブは答えずにシュカーラに質問を続ける。
「お前等、最後にダソス・ダロスを見たのはいつなんだ!」
「え? 最後だったらついさっき…… 途中で消えてしまいましたが……」
「それはアタシが化けてたのよ、アタシのスキル『偽神』は相手に錯覚を見せる事が出来るのよ」
「そうなのです? でしたら一週間位前でしょうか? 最近は良く里に姿を表されて食べ物を持ち帰られていたので――――」
「残念ながらそれもアタシ、バイト代の代わりを貰いに行っていたの」
「えっ……」
この森以外の世界を知らないシュカーラにとっては、金属板以外のスキルを始めて認知したのだろう。
ミロン以上に目を剥き出して口をパクパクさせていた。
レイブの声は厳しさを増した叱責みたいになっている。
「最近良く来るって言ったよなっ? その前は? どれ位、姿を見せていなかったんだっ!」
ミロンが復活したがイマイチ自信なさげな声だ。
「いや、少し前以前はぁ、えっと、私がまだ若かった頃? ですかね? 十年以上はお姿を表さなかったと思いますよ、あの、それが何か?」
重ねられた質問にも答えようとせず、レイブは大きな声で叫ぶ、自らの弟と妹に対してだ。
「ちぃっ! ギレスラ、ペトラ! 大急ぎで登るぞ! 手遅れになってなければ良いが、それっ!」
そう言い残すとさっさと斜面を頂上目指して駆け出してしまったレイブ。
ペトラとギレスラは慌ててその背を追い始め、更に後ろをその他のメンバーが追い掛ける形になった。
理由が判らない面々も、急変したレイブの態度に只ならぬ物を感じ、揃って無言で足を運び続けたのである。
ペトラとギレスラが追いついた時、レイブは既に山頂に到着していた。
登っている最中には見えなかったが、山頂付近は平らに均されたスペースが広がっており、過去に誰かの手が入った事は容易に想像できる景色である。
広場の中央には石を並べたのか一段高くなった場所があり、そこだけは何本もの柱に支えられた屋根が設えられていた。
一見して神殿の様にも見えるその手前の地面にレイブはしゃがみ込んで何かをしていた。
近付いたペトラは自らの兄に声を掛けようとして、建物奥の有様を目にしてその対象を変えたのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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