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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1118.突破口


 揃って負けず嫌いなレイブとギレスラは、ペトラが早くも答えを見つけたと仮定して迫ったが、そこはこのスリーマンセルで知性派を一手に担っているだけに彼女は冷静な分析を加味して答える。

『ええっとぉ…… 結論から言えばまだ吸収には成功していないんだけどね……』

「なーんだ」

『ふん、人騒がせだなペトラよ』

『でもね、逆なんだけどさぁ、試しに回復を掛けてみたんだけど、そしたらね~』

「いやいやペトラぁ、只の魔石に回復ってぇ」

『意味など有るまい…… はや諦めた、そう言う事だなペトラ』

 話の結論を急ぐ辺り、二人が直情的で酷く単純な事が窺い知れる反応だ…… 脳筋だなぁ。
 幼い頃からコイツ等に付き合ってくれている優しいペトラは一々説明してくれるらしい、優しい。

『そしたらね、一番初歩の『微回復プチヒール』を掛けた時だけね、少しだけ魔力が魔石に入ったって言うかぁ…… そうっ、充填出来た感じだったのよっ! うん、チャージ出来たのお兄ちゃん達!』

 ペトラの言葉に最初に反応したのは出題者、アスタロトである。

『! ほお』

 意味ありげな言葉も聞いていないのか脳筋ブラザーズは相変わらず残念な反応だ。

「充填? あのねペトラ、チャージじゃなくて吸収するんだよ? 判る? キューシューっ! なっ? ギレスラ?」

『そうだぞペトラぁ! 吸収だぞ吸収、アブソープションな? はあ全くぅ~』

『いやいやいや、すべての効果を反射するリフレクションを無効化させて充填出来たんじゃないの! プチヒールと同じ感じだったら吸収も出来るんじゃないかな? そう言いたかったんだけどぉ!』

「っ! た、確かに…… そうなる、のかな?」

『ふむ、だと思ったぞ! で、どうすれば良いのだペトラ? レイブ?』 

 こいつらも大概だな……

 兄二人の馬鹿さ加減もアスタロトは気にならないらしく、賢いペトラを見つめて感慨一入ひとしおな様子だ。
 ジッと見つめ続けるアスタロトの視線の前で、一心不乱に試行錯誤を繰り返すペトラの夜は更けて行くのであった。

 対して早々に飽きてしまったギレスラは鼻の先に魔石を乗せてバランスを楽しんでいたし、レイブに至っては出来もしないスキル、『微回復プチヒール』を馬鹿みたいに繰り返し唱えていた。
 パーティ内の知性に差が有り過ぎだろう……

 まあ、愚か者二人の夜も同じ様に更けて行き、三者を見つめるアスタロトの視線は、何故だかどれも優しい慈愛に満ち溢れていたのである。

 そんな暖かな眼差しを受けて尚、ペトラにははっきりとした答えを出す事は出来ないまま、その夜はまんじりともせず過ぎて行ってしまったのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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