【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1580.夜の訪れ
黒猫から変じた女性が悪戯そうに口元を舌なめずりしながらヴラドに言う。
「大丈夫、今日はいつもより沢山の仲間に来て貰っていますから、どうか安心して下さいな、ヴラド」
彼女の言葉を聞くまでもなく、その姿を確認しただけで全身の緊張を解き始めていたヴラドは返す。
「あ、ああ、そうか、助かったよ、カーミラ」
「ふふふ、どういたしまして」
スタイルこそ整ってはいる物の、どこか迂闊さや付け入れそうな隙を感じる彼女の物腰は脇で見ているレイブには酷く蟲惑的に映った、まるで変身前の猫のそれ、そのものみたいであった。
どこかドキドキとした鼓動を感じて戸惑っていると、ヴラド達の背景で泡を吹いていたマナナンガル達の下半身に猫と鼠、黒い小鳥がびっちりと塗り潰すかの様に縋りつくのが見えた、次の瞬間、
ブワッ! バッサバッサ―――― チィチィチィチィ……
「うわっ!」
『むむっ』
『キャアァーッ! え? こ、コウモリ? 何で?』
レイブとギレスラは驚きペトラがかろうじて意味のある言葉を口にした。
発言の通り、小動物達に下半身を取り囲まれた吸血鬼たちは、自由が利きそうな体の上半分、腰から上を蝙蝠に変じて坑道の狭い空中へと飛び立ってしまったのである、まるで鋭利な刃物で切断されたかの様に水々しい臓物の切り口を残したままで、である。
「チイィーッ! チィチィッ!」
「お、おい、マナナンガルっ!」
素早く目で追ったレイブの視界に、先程まで吸血鬼のリーダーとして甲高く声を発していたマナナンガルの上半身が勢い良く出口に向かって飛び去る姿が見えた、こちらもパッと見は蝙蝠、但し異常に大きな個体にしか見えなかった。
「い、行っちまったけど…… 良いのか、おい」
狼狽丸出しの声、答えるヴラドは声、表情のみならず肩の力まで良い感じで脱力中、リラックス状態である。
「ふぅ~、大丈夫ですよ、驚かせてしまいましたね、どうやら久方ぶりの楽しい一時を過ごした事で時間の経過を失念していた様です、我輩の迂闊さでとんだ失礼を…… ご容赦下さい」
「い、いや大丈夫って…… 上半身だけ飛んで行っちまったんだがぁ、えっと、本当に大丈夫か?」
ヴラドは余裕綽々だ。
「ええ、何も心配いりません、と言うより彼等にとっては今の状態が自然な姿なんですよ、昼間のニンゲン丸出しの状態の方が寧ろ呪われてしまっていると言いますかぁ、ははは」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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