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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二部 五章 続メダカの王様
786.憧憬

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 『蹂躙じゅうりん』、カリンマ。

 ナッキが聞き覚え無かったのも無理は無い。
 そんな言葉、二つ名は失われて久しかったからである。

 それは、数十年間、魔神王、ルキフェルであったコユキと善悪に仕えたストラスの依り代であったヘロンには特別な感慨を感じさせる言葉である。

 彼の記憶の中で、コユキと善悪の最も近くで日々を過ごし、時におっちょこちょいキャラであり続けたスプラタ・マンユにいて、最大の魔力量を誇ったアヴァドンは憧れ、そのものに他なら無かったからである。
 最高位の悪魔は言うまでも無く、ルキフェル、バアル、アスタロトの魔神であり、その後に彼らと同レベルまで昇華したサタナキアである。

 しかしながら、従う悪魔たちが憧れ続け、目指し続けたのは至高たる彼らではなかったのだ。
 彼らと気安く語らい、時にいさめの言葉を発しながらも、その実力故だろうか? 決して遠くに置かれなかった存在、ハミルカルやハンニバル、ハスドルバル、ネヴィラスとサルガタナス、そして最高位の魔神王ルキフェルと家族の様に語らい続ける、スプラタ・マンユ、それとガープ、ベレト、ゼパル、カイムに一途な視線を熱く注ぎ続けていたのであった。

 その特別な存在の一柱、蹂躙じゅうりんと呼ばれたアヴァドンの『蹂躙カリンマ』、所謂いわゆる言葉の力を目の当たりにしたヘロンは、大きな体を全て水の中に浸しながら言葉を発した。

「お、王妃様、サニー様、改めて恭順の言葉をお聞きくださいませ…… 貴女様とナッキ王こそ我がお仕えすべき全てでございます…… 私、ヘロン、いいえナイト・ヘロンめの忠誠をお受け取りくださいませ…… ま、マラナッ・タッ!」

「え? 王妃ぃ? そ、そんなぁ、ねえ、ナッキ、まだね、ぼ、アタシ達ってさ、ほらぁ、ねえ? そこまでは、ねえ?」

「マラナ・タ? って、一体何なのぉ? ヘロン! ちゃんと説明しておくれよぉ!」

 過去の記憶バフを受けてかしこまり捲ったヘロンの言葉に、サニーは照れナッキは初めて聞いた言葉への疑問を口にしたのである。

 ヘロンは例の如く、硬い筈のくちばしの根元を歪ませた笑顔で答える。

「勿論喜んで説明します我が君、ですが我々鳥族の参上に気が付いたのでしょう、来たようです、ヤゴの親、薄汚いトンボ達が…… 事が終結しましたら、改めてゆっくりとお話させて頂きますね、では、チャチャッと済ませて参りますので、失礼……」

 ザバァッ! ブワッサブワッサ! クワアァーッ!

 笑顔を引き締まった物に変えたヘロンは水中から空へと羽ばたき、これまでナッキが聞いたどの声よりも大きく鳴いたのである。
 その声に合わせる様に、数十の翼が羽ばたく音が聞こえ、空を飛び回っているのだろう、様々な鳥たちがそれぞれの鳴き声で『美しヶ池』の真上を埋め尽くすのであった。

「うわあ、何か凄いね……」

「ナッキ…… ヘロンと水鳥たち、『皆殺し』とか『王の敵を滅せ』とか言ってるんだけど…… 良いのかな?」

「ええぇっ! だ、駄目だよ! 僕等も行こう、良いよね? サニー」

 サニーはナッキの口の中で顔を真っ赤に紅潮させながら答える。

「うん、ナッキの行く所ならどこへでも付いていくよ、あ、あ、アナタ…… キャッ、テヘヘ♪」

「あなた? まあいいや、おーいっ! ヘロンーっ! 待った待ったぁーっ!」


お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。 

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