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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1166.スタンブリング


『あれ無いなぁ~、んー、次に会った時でも良いぃ?』

『ガッ! 何かくれるんなら次でも良いぞ、です?』

 貰っても使い所を選ぶだろうが、会話は無事終わった。
 筈だったのだが。

『あっ! 朝ごはんっ!』

『え?』

『ギギッ?』

 ギレスラの頭上に居たテューポーンに向けて手を伸ばす最長老。
 そう、ラタトスクの主食はバッタに代表される昆虫に他ならないのだ。

 仕切り役のお付が厳し目の声を発する。

『最長老様っ! もう、朝ごはんは食べたでしょっ! 後でっ! ねっ、後でねっ!』

『むーん、後ぉ~?』

 取り敢えず食欲が抑えさせられた最長老に見えないように、背中に隠した手をはたつかせてギレスラに退室を促す仕切り役さん、やはり出来る属性が強い。

 最後はスリーマンセルで一番賢い、と言うか唯一常識と深い見識を持っているペトラである。
 ほぼ無事に事は済んだ、そう思ったのだが……

『ありがとうございました、失礼致します』

『ほおぅあぁあぁあぁっっっあああああぁぁぁっ!!!』

 漆黒の豚の何かが琴線に触れたのか、はたまた通常の定期的な発作か何かだろうか? 急激に身を起こして叫んだ最長老である。

『ええぇっ! さ、最長老様?』

 仕切り役の反応を見る限り、普通の事ではないらしい。
 最長老は更に声のボリュームを上げて叫びを続ける。

『お、おおおおぉぉっ! よ、ようやくぅ、漸く再びお会い出来ましたぁっ! おおおおっ!』

 ふむ、なるほどそのパターンか。
 初対面の相手を昔馴染みのように判断する、そのパターンに戻るだけではなく、激しい感情表現を加える事で周囲の面々に新鮮さを与える…… 中々洗練された状況アピールでは無いだろうか?

 初見のレイブ達だけで無くお付のメンバーまで面食らった表情を浮かべている所を見ると、どうやらここ一番用に温存された取って置きだったのかもしれない。
 ポカンと口を開けたりいち早く納得の頷きを返す面々の中で、ペトラだけは著しい狼狽を見せながら早口で捲くし立てる様に答えている。

『何言っちゃってんのっ? アタシはペトラっ! 良い? ペっトっラよ、ペトラ! そもそもアンタとは初対面だしっ! 仮にどこかで会っていたとしてもそれ人違いだからっ! 誰と見間違えてるか知らないけど全然違うんだからねっ! 勿論っ! ハタンガのアリスとか? 他人の空似所か、えっと…… そうっ、本人の空似よっ! 本人の空似っ! アタシはペトラ、アリスなんかじゃないんだからっ!』

『これ! いきなり否定しては――――』

『だって全然違うものっ! アタシはペトラっ! アリスじゃないからっ!』

 ふむ…… 要約するとアリスと見間違わないで欲しい、らしいな。
 にしても、本人の空似って一体なんだ? 謎めいている。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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