【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1658.ありがたいことです
この田舎町の中ではそれなりに大きかった領主の館は完全に崩れ落ちていた。
とは言え、全てが焼き払われた感じではない。
と言うよりも崩れた瓦礫の上にそこら中から集めて来た別の建物の残骸を積んである様に見える。
「これは…… 残骸を一旦ここに集めたのかしら? えっと処分場(仮)的な、よね?」
屋敷の前で立ち止まり思わず言葉を洩らしたベラは、そもそも重症な腰を抜かさんばかりに驚く事になる。
「ベラさん、お帰りなさい」
「え? な、なぁっ!」
なんと館の入り口、元々堅牢な門が建っていた辺りで、他と同様草を食んでいたシャモアが顔を上げて話し掛けて来たのである。
野生動物が人間の言葉を解する、ベラが仰天したのはそれだけが原因では無い。
「あ、貴方ギアニ、ですの?」
シャモアの顔は見知った門番のギアニであった。
どうやらシャモアの首を切りその上にギアニの頭を乗せただけの様だが、繋ぎ目が結着し始めているらしく既に草を食べたり話したりに支障が無いらしく見える。
「ど、ど、どどど、どうしてこんな……」
「過ちを犯した私は正しい自分を取り戻せました、全てはお嬢様のお蔭です、ありがたいことです」
「お、お嬢さまの…… では帰っておられるのですね?」
反対からもう一匹のシャモアが顔を上げて答えたが、こちらは一緒に反乱軍を率いていたガラベの頭がついている、但し意図的なのかかなり斜めである。
「お優しいお嬢さまは神殿でお祈り中です、我々の為です、ありがたいことです」
「あ、ああ、そうなのね…… では行ってみますね」
なんだこれ気持ち悪い、そう思ったベラは門番の二匹をなるべく見ない様にしながら奥へと進んだ。
神殿? と言うのは良く判らなかったが、取り敢えず領主家族が良く集まっていた食堂を目指す事にしたのである。
瓦礫の脇を進む間に、ミンク的な小動物が群れを成し小さすぎる手でレンガを積もうと悪戦苦闘する姿と、その横で必死に石灰岩を嘴で突き捲くるペリカンの姿を目にしたが、主目的と違っていたし気持ちが悪かったので見なかった事にして通り過ぎた。
なんとなくミンクのリーダーが良く見たレンガ積みに似ていた事や、ペリカンが馴染みのパン屋っぽかった事はすぐさま忘れる事にした、その方が良い気がしたからである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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