【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1621.炬火に向かいて
レイブはテューポーンを頭に乗せたままで焚き火の縁へと歩を進める。
ミロンとブロルは律儀に立って着席を待ち、ギレスラとペトラ、ガトもレイブに並んで焚き火に照らされた。
ペトラはその外に伏せダソス・ダロスは身を捩って鼻先をそちらに向けた、パダンパはいつも通りガトの後ろに立ったままだ。
こうして見ると旅の最中、馬鹿の感染を避ける為に追放、いや隔離されていた間に関わってきたメンバーばかりの顔ぶれである。
まあ適度な距離を保ち続けたシュカーラと恐い物知らずなウータン達も頻繁に出入りしてはいたが彼等は現在奥で食事中、つまり正真正銘悪魔入りメンバーのみ、それも魔王種以上の面子だけが揃ったと言う訳である。
それに考えてみれば見張りと言うのも方便臭いな。
そもそもダソス・ダロスの巨体では金鉱山にはとても入れそうにない、頑張っても精々鼻先か尻尾位だろう。
これは見張りと言う名目で、表で過ごさざる得ないダソス・ダロスに付き合っている、そんな感じなのであろう。
まあ気が利くとまでは言わないが、何だかんだ気の良い奴等だな、相変わらず。
『それで? 改まっちゃってどうしたの? ガトちゃん』
「う、うん、えっとね……」
まだ口篭り気味で言い難さが丸バレなガトの後ろ、サイズ的な事情からぺトラに並んでいるキャス・パダンパが声を掛けたが、どことなく応援っぽいエール感が込められている、頑張れ。
『ガト様、ここには味方しかいないっすよ、聞いて貰った方が絶対良いっすよっ!』
ふむ、直属の眷属は既に何か聞いているらしいな、少なくとも寝冷えや便通の悩みで無い事だけは確定に思われる。
周囲の覚悟や準備も、更には場のムード、宵も半ばを過ぎて目の前の炎は灯と共に時折微かな炸裂音に合わせて細かな火花を闇に撒く、うん話し易そうじゃないか、皆さんで言う所のキャンプの夜的な感じである、ファンタジー的に表現すればサラマンダーの逃亡、文学では貞節の終焉とか言われる輝きが包んでいる、何でも言えるし何でも聞ける、バッチリ。
これならずっと心に秘めていた想い人の事なんかも、いや絶対他言出来無い猟奇殺人目撃談とかでも暴露出来ちゃいそうな感じだ。
だと言うのにガトはと言えば、未だモジモジ、いやウジウジ悩んだ素振りを見せたりしているでは無いか! ええいっ、面倒な! 往生際だぞ? 往生際っ!
そんな私、観察者と違い、身内認定している相手には妙に気が利くレイブは視線をガトから鍋に移して声を高める。
「その前にちょっと食べさせて貰おうかなぁ、なあ、コレ美味そうだよな?」
「ええ、勿論構いませんっ! おい、ブロル!」
「あいよっ!」
アガリアレプトとの邂逅以来、あっちからこっちに鞍替えした元魔王種入りのミロンとブロルも何かを感じていたのか、現主のレイブの心に惻隠した合いの手で返した。
ブロルは手作りっぽい荒削りな木製のラドル、日本的に言えばオタマを手にし、同じく素朴な仕上がりのスープボウルに鍋の中身を入れようとした。
「あっ! やっぱ良いわっ! まだ腹減って無かったし……」
レイブの声が突然響く、慌てた感じだ。
ブロルはキョトンとしながらも主に返す。
「え、でも熱いですから取っておいた方が食べ易いでしょうし――――」
「良いんだよっ! あの、ほら、それよりガトの話が先じゃんっ! メシ食ってる場合じゃ無いじゃんかっ!」
うん、台無しだな。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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