【2151話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2151.『再生雨』
レオニードが必死に止めたせいでパダンパへの改造実験は行えなかった、ラマスはがっかりだ。
「どうして駄目なの? プトゥシじゃなくてエニシァシの方なのよ! 腐った性根とか直るかも知れないじゃない!」
『無茶言わないでよ! ねぇ聞いてた、息子なんだよ?』
『……プ、…………ププゥ~』
逆上がり覚えたての子供かよ…… 丁寧な説明をしてくれたばかりのキトラは追加の取り扱い注意を余儀なくされる。
『じゃから狙い通りには改癒出来んのじゃ! 考えてもみるが良え、強靱化されたパダンパがメチャクチャ強うなって暴れだしたらどうするんじゃ? それこそ誰にも止められない位になったらお終いじゃろう?』
次の瞬間パダンパが顔を上げて言う。
『良いっすよ! 俺、改癒受けてみるっす!』
キトラは溜息混じりで仕上げに入る。
『ふうぅ~、ほれ見た事じゃろ…… 兎角、改癒のスキルは危険を孕んでいる超絶運用注意の代物なんじゃ、使う際は誰か信頼出来る者と…… そうじゃのう、レイブ辺りと相談してからの方が良いじゃろうな』
「ダーリンと? ……そっか、じゃあズベ公をぶっ飛ばす前にダーリンを助け出す方を先にするか? ……判ったわ爺、ありがと♪」
『なんの♪』
爺は感謝されて満足気、更にレイブの救出が初めてウラジオストク行の目的になった、良かった。
良い事ばかりなのにラマスにはまだ心残りがあるようだ。
「あーでも、折角スキルの新しい使い方が判ったてのに随分先送りよねー、おあずけかぁー、あーあー」
『エニシァシやプトゥシはな、だが安全に使えるのもあったじゃろうて』
「え、あった?」
『ジージジジッ、ジジー』
『そうじゃ、その通りじゃぞい』
「あーなるほど、それだったら安全ですもんねー」
「それでユイ様もその金属板だけ残したのか~、納得~」
バッタの言葉を当たり前にスルーし始めたな…… 普通は判らないんだぞ?
しかしながら、意図しているスキルは『再生雨』の事なのだろう、理由は言うまでも無い、なにせそれしか残っていないからである。
強弱の改癒で変質した体や物質を以前の状態に戻すスキルでちょっと聞いた感じ無害っぽい。
だが実は生物だけでなく家屋から機械、道具まで区別なく直したりする破格のスキルだったりもする、例のバアル式オートロック搭載型クラック、通称しすさんまで治したり出来る事だろう、言わば改癒と対になるリセット的な技だったりするのだ。
考えてみれば私、観察者の時間遡行に近いのかもしれない、そう考えれば確かに破格なのだろう、しかもこっちはアンカーすら必要ないし、ユイの金属板を見る限り術者が介在していない対象にも差別なく元通りに直せる様だ、クルン=ウラフでは雨に打たれるだけで死んだモンスターまでゾンビ的に生き返らせていたし、『回復』系とは全然違うロジック、ずばり言えばルキフェルの『創造』のが近似なのだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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