【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1564.遥かに臨む竜王の里
面倒そうに頭を掻くレイブにぺトラの説明は笑顔で続く。
『アタシ達じゃ大変だと思ったからテューポーンさんに任せてきたわよ? アレでしょ? 間歩の入り口を封鎖して入気坑口を広げてくれば良いんでしょ? そう頼んできたんだけど』
ドゴンッ! ガラガラガラ ドガンッ!
ぺトラが言葉を言い終えると丁度同時に岩山の下方で何かが崩落した音が聞こえた。
タイミング的にテューポーンバッタが坑道の改修工事を始めたのだろう、仕事が出来るタイプのバッタだ。
『ほら、大体の目星がついたのね♪』
しかも目測でワンオペかよ、凄いな。
衝撃音は引き続き間断なく響き続け、その事に安心したのかレイブは話題を次に移す。
「良しっ、じゃああっちは任せるとして残った問題は一つだな」
『うむ』
『そうね』
ギレスラとぺトラだけでなく、ガトやダソス・ダロスも深刻な表情を浮かべて頷いている、どうやら重要な問題が残っているらしい。
レイブはやや声を強めて一同の端に問い掛ける。
「どうだパダンパ! やっぱ景色は壮観なままか?」
『ええ、相変わらず大らかで爽やか、雄大な眺めが遠くまで見渡せるっすよ』
なるほど、そいつの動きも異常っちゃあ異常だったな…… しかし問題とまで言う程だろうか? 結構最初からこんな感じじゃ無かったかな?
「そっか…… まずいんだよな、ソレ?」
『はい、極めてまずい状況っすね』
ん? なにやら問題の共有が出来ていそうなやりとりに聞こえるのだが…… 一先ず成り行きを見守るとするか。
極めてまずいらしい状況についてレイブは誰にともなく語り出す、助かる。
「竜王の里は修行の場所、なんだもんな…… 炎竜は全てを燃やし尽くす馬鹿みたいな火力アップを、水竜はそれを相殺して余りある抑制力と他者を圧する位にオーバーキルな水圧を、風竜はそれら全てを吹き飛ばすのみならず地上を無に帰す程の狂った一掃力、土竜は大地に拠る弱き存在を護り生き延びさせる為の防御と隠遁、加えて地を這う自らに従った惨めな弱者への再生の祝福と忍耐力を与える為、ついでにそいつらを逃がさない為の強固な監獄作り、それぞれ一心に求道する場所、だったか?」
『そっすよ叔父さん! その厳しい修行は当然、周囲の環境を虐め抜いて殺しまくる訳っすよ! 竜ですもんっ! 思い立ったら周りの迷惑なんて何のそのっ! それが普通なんっすよ! そ、それが、あんなに穏やかで平和的なんて…… 違うっ! 俺の知る竜王の里じゃありえないっす! もっと、爆炎とか蒸気とか土石流とか悲鳴とか断末魔とか…… こう、殺伐として絶望と怨嗟が溢れていなかったら駄目なんすよっ! 俺…… 俺ぁ、なんか、寂しいっすよっ! グスッ!』
うん、なるほど、竜王の里の竜ってそう言った感じを目指していたんだね、判り易かったよ。
一行の中で殊更ポンコツ風味が強かった二者がまあ、まともな所を発露してくれた訳だな、内容は兎も角。
特にパダンパの発言は多少、いいや多分な狂気を感じてしまう向きも多いだろうが、まあ、得てして故郷ってそんなものだろう、とゆるりとしておこうじゃないか。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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