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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1045.呼び出し


 この日の夕暮れ、いつも通りレイブ一人が居残って、翌日の荷出しの手配に心を砕いている時、本日の準教補助として選抜試験管を努めて来たランディが、真下を向いたままで背後から声を掛けたのである。

「し、師匠…… あの、そのぉ……」

「あーこりゃパレットがイカレちまってんなぁー、作り直すとするかぁー! ん? おおランディか、おかえり、どうだった? 問題なかったんだろう? おっと、こっちのパレもそろそろ駄目かな? 参ったなぁー、ロップもそろそろ新調せにゃならんって言うのに、難儀だなぁー」

「ええっと、あのぉー」

「ん? どうしたランディ、パレットやロープの事だったらサンドラかシンディに頼むから心配要らんぞ? と言うかお前は不器用だからな、頼めんよ、わははは! 今日はもう帰って休め! 明日から又、荷役を頼むからな!」

「……れて来い ……と」

「は? 何だって? 聞こえんよ、もう少し大きい声で言えよランディ」

「レイブを連れて来い、だそうです…… 明日もう一度模擬戦のやり直しだと、そうズィナミ様、学院長様が伝えろ、と……」

「えっ…… 明日…… そ、そうか、わ、判った……」

やり取りが一段楽した所でレイブは無表情のまま固まってしまい、なにやら虚空を見つめて思い悩んでいるように見える。

「あ、じゃあお先に失礼しますね」

「お、おう…… あっランディ! これ、明日の工程表っ、ジョディに渡しておいてくれ! それと明日仕切りを変わってくれって、言って置いてくれないか?」

「あ、はい判りました、んじゃ失礼します」

「ああ、おやすみ…… あっランディー! ズィナミは、いや学院長はぁ、そ、その、どうだった? 角、生えてたか?」

「え、角ぉは無かったですね、つるりとしてましたよ」

「そ、そうか……」

「…………じゃ、失礼します」

「おいおいっ! 肌は? 肌はどうだった? 何色だったんだ?」

「肌? 学院長のですか?」

「お、おう、当たり前だろ! 他にいないだろうが!」

「うーん、赤かったですかねぇ? うん、いつもより数段赤かったですけど、それが何か?」

「赤かったか…… そうか…… 赤ね、赤…… 赤か…………」

「? ………………っつかれーすっ!」

「お疲れ…… 赤か…… 数段、ね…… あか、かぁ…………」 

その夜ランディが小屋へ帰った後も、一人備蓄倉庫の中で呆然と立ち尽くし、赤だとかアカだとかAKAだとか呟きっぱなしで過ごしたレイブは、翌朝、一睡もしないままで呼び出し通り学院長ズィナミ・ヴァーズの元を訪ねたが、その顔色は死人の如き土気色、そのものであった。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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