【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1630.偽神、都会へ行く
ヨハン青年は美しい顔を見る見る驚愕に染めながら一言だけ搾り出す。
「エリクサー、ですか?」
サタンにはその単語に聞き覚えがあった、いつだったかバアルが手下共と見てみたいとか何とか騒いでいた事を覚えていたのである。
なので気楽に返した。
「エリクサーってアムリタよね? それがどうしたって言うのよ?」
「っ! ははぁーっ!」
「ん? 何?」
ヨハン王子は馬から飛び降りるとその場に傅いて言葉を続けたそうだ。
「お願いします神の母よ! 助けて欲しい者がいるのです! どうか貴女様のお力でお救い下さいませっ!」
「ほー、良いわよ♪」
「ほ、本当でございますかっ?」
「任っせなさいっ! んでその眷属候補、おっと、助けて欲しいって相手はどこにいるのかしら? 案内しなさいよっ!」
「は、ははぁーっ!」
需要と供給が奇跡の出会いを果たした瞬間である。
その後、サタンは馬を勧められ、ヨハン王子に口を取らせながら兵士達を引き連れて彼の居城へと向かったと言う。
後ろで兵士達が、キエフで見たイコンと同じ顔だ、だとか、服は青じゃなかったのか、だとか、あの泥人形が? まさか! だとか騒いでいた様だが、至極ご機嫌で道中を過ごし、ヨハンから事情を聞いたり、木の実をもいで味わったり、泥人形を撫で回して半分崩してしまったりしながら、結構快適な時間だった様だ。
暫らくして到着した街は賑わいに満ち溢れていた。
古くから北と東西の要衝を結ぶクルムバッハは辺境ならではの景気に沸き立っていたのである。
数々の権力者が好んで自領とした要衝の連絡都市は、古代から続く石畳と新たな街道の土埃が交わりあって、その混迷の具合こそがこの地の発展そのものを現しているかの様な喧騒ぶりであった。
若き領主自身に馬を牽かせた鞍上から、世間知らずの極みなサタンは深い感嘆の息を洩らす。
「ほえぇ~、ここって色んな人間で一杯じゃないの~、ナニ? 世界の中心ってヤツかね、コレ?」
キョロキョロしている田舎者(過疎気味の魔界出)に、有力貴族の御曹司だったヨハンは答えてあげる、優しい男である。
「恐縮ですがここは辺境の田舎町に過ぎませんよ、少し北か南に行けば比べられない程の大都会もご覧になれるでしょうが……」
サタンは再び唸る様な声を上げた。
「ほ、ほええぇぇ~」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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