【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1496.野性の本能
三者の顔を見回す珊瑚につられたのか、露草も皮袋から顔を上げレイブの顔を覗きこむ様に近付いて来た。
レイブは両の手をそれぞれ色違いのランプリーに差し伸べて、そっと撫でながら声を掛ける。
「聞いた通り、お前達とは今日でさよならなんだ…… ここいらは食い物も少ないけど頑張って生き抜くんだぞ? この図体じゃ元の群れには戻れないだろうし、かと言ってモンスターと闘えるほどの強さもまだまだ無いからなぁ…… だけど、お互いに助け合えばきっとなんとかなるさっ! 俺たちも同じだからな、まあ、文字通りステージは別だけどそれぞれ精一杯頑張ろうぜ!」
『レイブ……』
『そうよ、珊瑚も露草も頑張るのよ! グスッ』
そうか、中途半端な形で依り代にされたヤツメウナギ達を自分達と重ね合せて見ていたのか……
気持ち良さそうに目を細めていたランプリー達であったが、レイブ達の言葉が理解出来たのか、揃って手を離れ、レイブの胸に顔を埋める様に寄せて来ている。
少し驚いた表情を即座に笑顔に変えたレイブが言う。
「何だよ、甘えちゃってるのかぁ? ははは、仕方がないなぁ、良し良し、あははは、あ、ああ? ぁぁ・ぁ・ぁ・ぁぁ…………」
ジュウゥー × 2 チュゥチュゥ × 2
レイブの胸に顔を埋めた様に見えたランプリー達であったが、埋めたのは黒いローブの中、逞しい大胸筋の表面であった。
鋭い犬歯の並んだ丸い口で吸盤の様に吸い付けて、勢い良く血液を飲み込んでいる。
見る見る間にやせ細るレイブに対して、はっきりと血色が良くなり色艶が増すランプリー達である。
若しかしたら、体の色に合せて肺静脈と肺動脈からそれぞれ捕食しているのかもしれない?
だとしたら想像を遥かに超える賢さだと言えるし、更に言えばこだわりを確立している一種のグルメ、美食家の側面すら持ち合わせている事になる。
大した物だ、感心している私、観察者と、ぐんぐんミイラ化して行くレイブの弟妹の反応は全く別だ。
『レ、レイブっ! くっ! 離せっ! この半助共めがっ! 飲むなっ! ええいっ離せと言うにっ!』
『キャーッ! レイブお兄ちゃんっ『回復』っ! 確りしてぇーっ! 『回復』っ『回復』っ!』
ギレスラは吸血ランプリーを尻尾で打ち付け強引にレイブを引き剥がす事に成功し、そのまま睨み合う構図となっている、ちょっとした怪獣映画みたいだ。
ペトラは生きる屍っぽくなったレイブに『回復』のスキルを掛け続けているが、怪我や病気ではなく単純な失血、所謂出血性ショックに陥っている肉体に効果は無いに等しかった。
治すべき胸の裂傷はとっくに完治済みだが、青白い顔で冷や汗を浮かべ、今にも停止しそうな微弱な脈の中ぐったりと四肢を投げ出し、不規則な呼吸の合間に消え入りそうな弱々しい声音のレイブからは濃厚な死の気配しか感じられない、つまりくたばり掛けているのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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