【2000話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2000.量産型ミョルニル
一旦クラックの内側に姿を消したキトラが再び姿を現した時、その脆弱で細っい前足にはハンマー、ってか一本のトンカチが握られギレスラに向けて差し出されていた。
『ほれ、こいつを使え』
『ああ、ありがたい…… むむ? 隠し穴で目にしたハンマーとは随分違うのだ…… ここに何か書いてあるのだが、これは、一体ぃ……』
どれ? ああ、ギレスラが訝しむのも無理は無い、見るからに量産品な木製の柄には何やらびっしりと焼き込まれた文字が羅列されている、これは日本語だ。
内容に関してはまあここでは良いだろう。
ん? アレだよ?
幸福寺印の丈夫で長持ちだとか、うっかり嫌いな奴の頭を殴ったら何か起きるかも? だとか? 大工仕事以外での使用後の責任は一切負い兼ねますだとか? の例の製造者責任放置の為の文言だ、気にしないで先に進もう。
差し出されたミョルニル、ってかカナヅチを受け取ったギレスラは、一行のメンバーを殴りつけ次々とミニチュアサイズ化していった。
小型のタンコブ付きの猫が増える中、ミロンとブロルは痛みを嫌い自らシェイプシフトで可愛らしいお人形へと姿を変え、一番大きなグラムランドは都合二十数回も力一杯ぶん殴られ続けていたし、最後の方は目に復讐の炎を宿したニーズヘッグを全員で制止する、なんて言う心温まる一コマも見られたのである。
締め括りに自らの頭を軽く打ったギレスラは(やはり強弱は関係無かった様です)、雄々しく宣言をした。
『いざ行かんっ! 伝説の地、レイブの待つ、日本へっ!』
『行くかの』
『『「「応っ!」」』』
『痛てて』
『ジジジッ♪』
良し行けっ! 但しその先は日本じゃなくて境界、逢魔が原に過ぎないけどなっ!
改めてキトラが姿を消した揺らぎの中へ次々に入って行く一行、皆小ぶりでそれなりに可愛い。
『なるほど、前の隠し穴と同じ感じなのだ』
ギレスラの呟き通り、パッと見た感じ、太師匠のグフトマと入った隠し穴と大差無い造り、要はシンプルな岩の通路が先へと繋がっている様だ。
然程物珍しくも無いだろうに小ぶりな面々は一々大仰に、岩だっ! とか、何か明るいっすねっ? とか、誰だ、余の足を踏み付けたのはっ! とか大騒ぎで物見遊山丸出しである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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