【2136話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2136.ハタ坊
「はたぼう? 誰なんだ……」
「いつか会えたら伝えますよ、それで良いんでしょう?」
『良いでしょう! じゃあ私の背中に積みなさい! 感謝しつつよ?』
屈む大鹿の背に二つの棺桶を乗せ始めるミロブロも基本真面目な性質だ、いつの日かまだ見ぬハタ坊に鹿の活躍を伝えてくれる事だろう、やや大袈裟に、だ、ウィンウィンで本当に良かった。
ドサッ! ズシリッ! ドンッ! ズーンッ!
――――くっ! ま、まあコレならなんとか……
背中にズシリとくる重さではあったが、当初の目論見通り背負えぬ程では無い、二つまでならギリオーケイラインだ。
そう思った瞬間、背中、主に背骨の中心、文字通り真髄に走る耐え切れぬ痛みが声を漏れさせる。
ドンッ! ドドンッ! ミシミシィッ! ペキッ!
『グハァッ! な、何ぃっ?』
素っ頓狂に朗らかな声音はラマスだ。
「もう出発するんでしょ? いつも通り乗ったんだけどぉ…… 駄目だったの?」
確かに竜王の里からここまでの道程も当然の様に乗っかってたもんな。
続いて響いたカタボラの声は尚明るい。
『うわぁっ! ラマスが言ってた通りっ! あつらえたみたいにピッタリ収まったよっ!』
ドスッ! ペキペキペキッ!
『ウッグッウゥ……』
四つ目の棺桶(特大)が背中に置かれ、エバンガは声にならない声しか出せない、なにせ髄をやられているのだ、声が出せただけでも物凄い根性である。
仕方ない、ラマスとカタボラが乗るのならば彼女達が受け持つ棺桶だって当然乗るのだろう。
普段誰かを乗せる際の首元だけでなく、やや後ろに並べられた四つの巨大なコフィンの重みがエバンガの脊椎に悲鳴を上げさせる。
口元からも嗚咽に近い呻きを洩らし続けるエバンガに、背の上からカタボラが怪訝そうな声を掛ける。
『どうしたのぉエバンガ? もしかして重過ぎたのかぁ?』
『ぐうぅっ! そ、そうね、少ーしだけ、重い、いえ、重過ぎるかもね、ゼェゼェ』
『そっかー、じゃあ仕方ない僕とラマスは降りるよ…… やっぱりエバンガじゃ無理なんだね、あーあー』
『ゼッゼッ、っ!』
「そうね、無理ならラマス達が背負って行くしか無いわね、まあ元森王様に会うまでの辛抱だわ! 頑張りましょうっ、カタボラ!」
『っっっぅ!』
順調に追放、及びいなくなって清々したへの一本道を爆走しそうな気配。
大笑いしながら楽しく焚き火を囲むラマスとカタボラ、そして大猪の姿がエバンガの脳内で再生される。
話題は当然自分の事だ、虚実入り混じった軽薄そのものな戯言にヘラヘラしているハタ坊の下卑た笑顔の醜さたるやとてもじゃないが直視に耐えられない、ってか虫唾が走る! ※エバンガの豊富な想像力のお蔭です
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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