【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1610.強壮 ~シュタルク~
レイブは話の幹を軌道に戻すのである。
「俺がスキルで『反射』したんだけどさ、アイツ等死なないよな?」
「ええ、死ぬ前に依り代の猫や鼠、鳥に戻るでしょうから心配いりませんよ」
「そうか」
「なんか申し訳ありません、我々のスキルって本来悪魔には利かない筈なんですけどぉ、ご迷惑をお掛けしました」
「いやいや、俺達ってアスタさんの依り代なんだけどさっ、ちょっと他の悪魔と違うんだよ、だから気にしないでくれ」
「恐れ入ります」
このまま話が終わりそうな気配に再びギレスラが気色ばむ。
『いやいや、終われないだろ! 今言ったじゃないか! 我々って! お前のスキルはどんな感じなのだっ? それを聞かねばならないであろうがっ!』
「おお、そうか! 良いか?」
「ああ、なるほどですね、では」
ヴラドの口調に隠匿の意思や躊躇は感じられない、どうやら本気で伝え忘れていただけの様である。
「我輩のスキルは集団向けでして、周囲にいる者の闘争心や敵愾心を高める効果があるのですよ、『強壮』と言いまして、まあ、昔軍を率いていた頃の名残でして」
『ほれっ! 見た事かっ! その邪悪なスキルが我を狂わせ――――』
「そのスキルって対象は何なんだ?」
「はい、兵士向きですからね、意思の弱い薄弱気味な者共を鼓舞する為なんで、まあ有り体に言えば度胸や覚悟の足りない臆病者にしか利かないんですよ、ほら、軍を率いる指揮官とかに効果があったら却って困るでは無いですか?」
『うぐっ…………』
「なるほどな、じゃあ普通以上の胆力があれば無害って訳なんだな?」
「ええ、仰る通りです」
「そっか安心したぜ! でギレスラ何だって?」
『へ? な、何が?』
「途中で何か言い掛けたろ? 遮っちゃって悪かったな、で、何だったんだ?」
ギレスラは泰然自若の趣、いつも以上に余裕綽々な風情である。
『そうだったか? 我の記憶には無いのだが』
「あれ、そうか?」
『うむ』
流石は誇り高いニーズヘッグ最後の生き残りだ、無理筋からの方向転換なんぞお手の物、そんな所なのだろう。
ヴラドは何か思い出した様だ。
「そう言えばギレスラ様、先程は一体どうしたのですか?」
ギレスラはヴラドではなく真っ直ぐ正面を見つめたままで答える、多少の後ろめたさは嘘のせいだと類推出来る。
『先程? はて、何かあったか?』
「ええ、話している最中に突然飛翔し始めたではないですか、危険だと思いましたので我輩が追い掛けて必死にお止めしたんですよ? 覚えていらっしゃいませんか?」
虚空の一点を見つめっぱなしのギレスラの顔面の鱗が僅かに色を変える、いと不自然だ。
『ほ、ほぅ、そ、それは手間を掛けたな』
「いえいえ、後ろ向きに飛ばれてあちらこちらぶつけていた様ですが治ったみたいですね、安堵致しました」
『う、うむ、大事無い、心配りに感謝するぞ』
何とか当たり障りなく会話が終われそうである、ギレスラ自身もそう思ったのか顔色が元の赤に戻り始めた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡