【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1757.ご馳走様
「そちらの女性は、あの、レイブ様の奥方様でしょうか?」
「え? いやコイツは只の幼馴染だよ、昨日ちょっと話しただろ、この群れを率いるリーダーの一人、ガトだよ」
「おお、そうだったのですね! お世話になります、私はゴシショと申します」
「あ、うん…… 知ってるわ……」
そうだったな、ゴシショって名前も聞いていた筈だ。
マナナンガルも追従に参加する、流石ヴァンパイアのトップ、社交辞令も忘れてはいない。
「レイブ様達がお伝えしてくれたのですね♪ それにしてもお美しい! ね? ゴシショ、貴方もそう思うでしょ?」
「ええ、全く! レイブ殿もお人が悪い! これ程の美しさとは、年甲斐も無くときめいてしまいましたぞ?」
「あはは、中身はサタナキアって魔神入りでおっかないんですけどね♪」
「ほう、それはそれは」
「ますます素敵ですわ! 心強い事この上ありません!」
人間だろうが悪魔だろうがファーストインプレッションは大切だ、ましてやこれからシパイの元まで旅を共にするのだ、仲間達の扱いにも直結しそうなだけに接遇に余念は無いマナナンガル達にガトも頑張って返す。
「お、お二人もとても素敵です…… あの、美味しかったですし……」
ガトは素直が売りである、きっと本当に美味しかったのだろう、仕方無い事だ。
「え、ああ、ど、どうも」
「か、変わった表現をされるのですね…… でもありがとうございます? かしら? うふふ」
「いえ本当に…… ご馳走様でした、ゴメンナサイ」
「あ、あら?」
「これは?」
素直過ぎる彼女にこの場を収める事は難しい、そう素早く判断したレイブが助け舟を出す、ナイスアシストだ。
「昨日話した通り、お前等とサリトまで旅をするのはガトとクルン・ウラフの奴等になるだろうからさっ、まあ仲良くやってくれよ、なっ?」
「え、ええ勿論です、よろしくお願いしますねガト様」
「う、うん」
「朝餉の準備もお任せください! あの、中華でも? 良かったですか?」
出身地から察するに、恐らく広東料理の原形っぽいヤツだろう、朝からだとちっと重いかもな。
ガトはここまでのおずおずとした表情を豹変させて、いつも以上にはっきりと答える。
「蝙蝠以外ならっ! だ、大丈夫、です……」
ゴシショは笑顔で返す。
「おや? 好き嫌いですか? ははは、いけませんな~、何でもお食べになりませんと~」
「…………ゴメンナサイ、…………ほ、本当に、グスン」
「あ、いえ…… こちらこそ、なんかごめんなさい」
多分、謝っている内容は大きく乖離しているのだろう、ままならないものだ。
謝っているうちに昨日の豊潤な味わいでも思い出し、この期に及んで目の前のおっさんを食べ物と認識し続けている己の浅ましさ、カニバリズミンさに気付いて涙ぐむガト、ここまで全て自分の事ばっかり、流石は悪の中の悪、セルフィッシュな事サタンの如し、まあ正真正銘サタンなのだが。
――――昼間は友達、夜は美味しい夜食用の食品、そう割り切って付き合うしかないわよね…… 別に死ぬ訳じゃ無いんだし本人も覚えてないんなら問題なしだわ! うん、そーしましょ♪ じゃ、取り敢えず仲良くしときましょ♪
「もう大丈夫よごちそ、ううん、ゴシショさん♪ ねえ、朝ってやっぱお粥とかなの?」
ガトの倫理観は大きく人格の破滅へと舵を切った、こうして少女は大人になっていくのだろうか?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡