【1934話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1934.お前はっ!
ここまでのあらすじ
ハタンガのバーミリオンで暮らすレイブ少年はいつも元気だ。
様々な事に興味津々な彼には、ここバーミリオン地区はかっこうの遊び場だった。
綺麗な水を湛えた美しケ池、画一的で不自然な位に直線だけで構成された水路、そして不思議な地下の部屋とそこに置かれた巨大な赤い異形の像と、読めぬ字の羅列された書物の数々。
日が昇ってから日が暮れるまで、レイブ少年は飽きる事無くこの地を探索し続ける日々を送っていた。
暗くなり、仲間たちが待つ中洲に帰った彼は、その日目にした不思議を興奮気味に話し続け、眠気が限界になるまで、毎夜毎夜、仲間であり兄弟妹であるイシビベノブ、シパイ、ガトは笑顔で彼の話に耳を貸し続けたのだ。
そんな彼の日常は不意に終わりを迎える。
平和だったハタンガを魔力の渦、魔力災害が襲ったのだ。
以前から大人達に注意されていたレイブは一目散に駆けた。
色々あって魔術師になったレイブは色々あって学院で働き色々あって旅立つ事になった。
いつしか十九歳になったレイブは竜の王様をぶんなぐり、色々あって岩が喋りだしてびっくり仰天、今後も色々ありそうだなと感じてしまう。
さて、お話の続きは……
大きな岩、そう思えた固まりは話しが出来た、つまり生きていたのである。
噂通り、黒々とした体に同じ色目の丸い頭、四肢は、と言っても前肢しか見えないが、魚類の鰭と酷似した物で、それらをモゾモゾと蠢かせながらゆっくりと近付いた化け物、黒竜のアペプと呼ばれた巨大はレイブの前に顔を近づけて静かに、しかし地を這う様な重低音で言う。
『どこかで見た様な…… お主、誰じゃったかのぉ?』
レイブはワナワナしながら巨顔に返す。
「ちょ、長老? キトラのお爺ちゃん? だよね?」
アペプも返す。
『む? 確かに儂はキトラじゃがぁ…… はうっ! お、お前はっ! れ、レイブ? なのか?』
レイブは巨大な丸頭の鼻先に抱きついて答える。
「そ、そうだよっ! オイラっ、レイブだよぉっ! 生きていたんだね、長老っ!」
なるほど、良く視点を引いて見ればコイツ、オサガメじゃん。
爬虫類だからドラゴンの定義には外れていないんだろうが、カメならカメって言えよ。
元ハタンガで『メダカの王様』ナッキに副王として仕えた長老キトラ、現黒竜のアペプは我等がレイブと顔見知りだったらしい…… まあ同じハタンガ、しかも美しヶ池がホーム同士、ありがちな話ではある。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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