【2229話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2229.引導
そんな具合でポーっと眺めているとペジオに動きがあった。
具体的には金属箱に正対しながら何やら呟き始めたのだ。
らしくない事に真面目そのものな表情で何だったら瞑目なんかもしちゃったりしている、ガチっぽさは満点だ。
呟いている言葉は…… カンジザイボサツ、ギョウジンハンニャハラミタジ―――― そう、皆大好き般若心経なのである。
これはアレだろう、ペジオみたいなモンでも幸福寺で暮らさせられていたのだから一応、それなりの教育とか洗脳とかを受けていたのでは無かろうか? ほれ、一応あそこも寺院、だったしな。
幼児期に善悪から有無を言わさず押し付けられた日々のお勤めは、遠い未来でもまだ粘り強く生きていたのだ、何か感動よりも恐怖を感じる。
そんな事を考えている間に、ペジオの様子に目に見える変化が起こり始めた。
当観察では良くみるエフェクト、野ウサギの全身を輝くオーラが包み始めたのである、色は体毛と同系色、茶色っつーか黄土色、そう表現した方が正確だろう。
「きええぇぇいぃっ!」
そのオーラを片手の指先に集めたペジオは裂帛の気合と共に金属箱に触れた。
瞬間、只の古惚けた金属の立方体は趣を一変させる、有り体に言えば表面のあちらこちらにLED的な光が灯り、機械的なウォーミングアップ音に続いて、ギレスラとペトラにとって聞き覚えのある声音が鳴り響いたのである、曰く、
『ようこそいらっしゃいました、こちらでは『バアル式オートロック機構搭載型クラック』の入場券をご案内しております、快適な移動手段として是非ご利用下さいませ、尚、発券済みのチケットの払い戻し、サービスの内容に関わる苦情やクレームは当施設では一切お受けしかねますので前もってご理解頂きます、ご不明な点、次回以降のご利用に於ける割引の可否、又、幸福寺グループへのご寄付につきましては、香り豊かなお茶の里、霊峰富士を望むこの世の楽園、幸福寺までどしどしご連絡を! 幸福寺では皆様の日常に帰依する様々な健康食品、修行グッズにグルメ食材を取り揃えるだけでなく、レジャー施設、スポーツアミューズメント、ミステリアス溢れる各種体験ツアーも豊富なラインナップ――――』
「てえいぃっ!」
ドガッ! ヒュウゥ~ ガッシャッ!
『『『ギャッギャギャーッ!』』』
ガイダンスっぽいアナウンスの終りを待たずに蹴り落とすペジオ、落下音に破壊音、怪我を負ったモンスターらしき叫びが続いた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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