【2274】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2274.幸福寺炎上
ある日、いつも通りアガリアレプトを圧迫している時、実験場所になっていた本堂を片付けしていたアセディア、怠惰の大罪が素っ頓狂な声音を上げた、曰く、
「痛ったたたたっ!」
どうやら放置してあったイオン化した砂金に触れてしまったらしい、あれは痛いのだ。
善悪は顔を顰めながら告げた。
取り扱い注意とかラマシュトゥに診せろだとかの通り一遍のおためごかしである。
通常ならそれで終り、アセディアは退席して治療を求めて走りそれ以上の展開にはならなかった。
だがこの日は事情が違っていた。
痛みに打ち震えていたアセディアが叫んだのだ、
「な、なんだ、この溢れ出す力はぁっ!」
と。
これまでも持ち前の不器用さで何度となく痛がり捲ってきたアセディアと不毛な実験、しかし今回は何かが起こったのである。
「ふーん、お前の事大主義と厨二病は治りそうもないのでござるなぁ…… 良し良し、大丈夫でござるよ~」
そんな風に妄想扱いする善悪の前でアセディアはやって見せたのである。
「ご覧下さい和尚様! 『極限爆発』!」
カッ! ゴオオオオォォォーッ!
「あっ、あああっ! ほ、本堂がぁっ! サルガタナスっ! 消火消火ぁっ! 急ぐでござるよぉっ!」
こうして幸福寺本堂は全焼した…… 幸いしたのは鎮火能力を持つサルガタナスやアスタロトが早めに気付いてくれた事、更に連日の激務で朦朧としていたアガリアレプトの湿気が火力を抑えたお蔭で庫裏や蔵だけは守られた事だろう。
焼け落ちた本堂の瓦礫を片付けながら善悪は思った、境内の砂利に正座させたアセディアを睨み付けながらである。
――――全ぁっく! アセディアの馬鹿にも困った物でござるよっ! 働きたいかなにか知らないでござるがアイツが動くとロクな事にならないのでござる! そろそろ追放、するか…… しかし、さっきの火力は凄まじかったのでござる…… まるでレッサーのサラマンダーやグレーターのイフリート、いやいやアイツ等よりよっぽど上だった様な…… うむ、聞いてみるのでござるか……
「これこれアガリアレプト君、今日の拷問、いや、実験でコピー元にしたのは誰でござったかな?」
蒸発して少し小ぶりになったアガリアレプトは答えた。
「えっとぉ…… 今日はアスタロトの馬鹿ん所のぉ…… ネヴィラス君でしたね」
「炎の精霊王の?」
「はい、最高位のフレイムロードですよ、それが?」
「……………… っ!」
「何なんです?」
「ハラショーっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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