【1962話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1962.シュプレヒコール
安易だったがレイブは驚きつつも問いを続ける。
「いや俺の名前…… 元々は違っていたのかよ……」
『当然じゃ、ゴライアスの子等は魔神の器、選ばれた際にそれまでの縁故とは決別させるのが慣わしなんじゃ』
その割には出自がバレる感じの命名じゃね?
「ガトやシパイも?」
『ガトはオウガスタの村の子じゃったし、シパイはシーパイの村、イシビベノブはイシヴィヴェノヴ集落出身じゃったかのう~』
雑だな、後半はまんま、隠す気無ぇーじゃねーか。
「むうぅ、新たに付けられた名前には出自の謎、音から紐解かねば理解不能な秘密が隠されていた、のかぁ……」
レイブ、耳詰まってんじゃないか? ギリギリまで譲っても駄洒落レベルだろ、それ?
「それに、あんだって? ブレイブニアって言えば確かぁ――――」
『暴力反対っ! 力の行使は何の解決にも無らないぃっ! 強引な手段は次の暴力によって倒される宿命を自ら背負い込むのだぁっ! んだから止めれっ! 止めてくれれぇっ!』
五月蝿いなぁギレスラ。
「若しかして俺の名前もです?」
「私もそうなんでしょうか?」
『む? そなたらはぁ、えっとぉ……』
「ミロンです」
「ブロルと申します」
『んんん? 覚えが無い名前じゃがぁ…… お主等もハタンガの出身なのかぁ?』
「いいえっ!」(キッパリ)
「産まれも育ちもクルン=ウラフでっすっ!」(だったよな)
『んじゃあ知らんわい』
「「うっす」」
こんな無駄なやり取りもある、試行錯誤を繰り返して進むのが歴史なのだ。
この不毛な会話の間もギレスラは騒ぎ続けた。
どこで覚えて来たのか、はたまた魂の奥底に刻み付けられてでもいたのか定かでは無いが、横暴はやめろ、だとか、権力濫用を許さない、だとか、独断反対、だとか、独裁者は出て行け、だとか、熱中症対策はこまめに、だとか、今日も一日安全作業でお願いします、ご安全にっ、等と活動家若しくは現場作業員的なシュプレヒコールを繰り返していた。
内容は兎も角、必死に搾り出し続けるその叫びには、身に近しい存在が少なかったギレスラの誠心、長老キトラを守りたい、その一心が込められている事が誰の目にも耳にも明らかであった。
レイブは自分の名前問題に、ミロブロとキトラ爺さんは下らないやり取りに夢中だった為、煩い騒音位にしか感じられなかった事だけが本当に残念至極である。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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