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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1643.山の勇者、その名はイーチ


 と言う事で、質実剛健、不撓不屈、筋骨隆々に仕上がり捲った若者達は、里毎に必要とされる職業に従事する事になる。
 無論日々のトレーニングも欠かさない、鍛錬は死ぬまで、呼吸と同様反復し続ける事、それ自体に意味があるのだ。

 職業と言ってもそこは素朴な集落の事である。 
 しかも農耕もしていない訳だ、専従を要する仕事はほぼ無い。
 皆で仲良くあらかじめ決めていた場所で羊を放牧しながら草の根っこを掘ったり、壊れそうな家の修繕用に石を岩山から切り出して運んだり、空を渡る鳥に猛スピードで投擲して貴重な蛋白源の取れ高を競い合ったり、成長過程の激烈さとは段違いの平穏な日常を過ごすのが常だったのである。

 お父さん、僕辛いんだよ…… 大人になるまでの辛抱だっ! う、うん、判ったよ……
 そんなやり取りが幾星霜と繰り返した後、ある成人者の下に不穏な報せが届いた。

 曰く、

「おっ! ここの土砂からは粒状の金が取れるじゃないかっ! こりゃもっと丁寧に拳で砕いてやらにゃならんなっ!」

「イーチっ! アンタの兄さんが大変よっ!」

「なんだとっ! あっちでも粒が出たのかっ?」

 このゲタイ、成人を超えた者だけではあるが、全身を黄金で飾りつける風習があったのだ。
 理由は定かではないが、住んでいる地域で銀があんまり取れなかったからとか、身に着けるとズッシリと来る加重が良かったからとか言われている、多分後者だろうな、間違いなく。

 全身を所狭しと黄金で飾り立てたイーチは顔馴染みの女性 (こっちもムキムキキンキラキン)に緊迫した表情を向けて言った、両手に握った岩石を握り潰して粉砕しながらである。

 駆け付けた女性は首を左右に振りつつ答える。

「ち、違うのよ! 北の峡谷に行ってた奴等が逃げ帰って来たのよっ! そいつらが言うには…… そのぉ……」

「何だサンドラ! はっきり言えよっ!」

「アンタの兄さん、カリオペが…… 殺されたって……」

「なっ! ばっ、馬鹿なっ……」

「………………ローザリア姉さんが、く、首を持って――――」

 ダッ! シュタタタタタッ! …………ガラガラゴロゴロゴロンッ!

 崖の中腹に片足を打ち込んで採掘を頑張っていたイーチは、サンドラの言葉が終わるのを待たずに直角に切り立った斜面を駆け降りて行った。

「待ってよ、イーチ!」

「「「「「い、イートゥル!」」」」」

 サンドラと仲間のゲタイ人達も慌てて後を追う。

 ガラガラガラッ! ガシャガラガシャガシャアァァァーッ!

 成人レベルのゲタイが数人同時に駆け下った事で、ここ、里の南に位置する峡谷は完全に破壊され尽くして人の踏み入れる場所では無くなってしまったのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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