【2142話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2142.NewPhase
さて……
皆さんから見て遠い未来、レイブを中心に観察した時代の暗黒具合、それにお付き合い頂いて来た訳だが……
ご覧の通り、レイブがクラックの向こう側、日本に姿を消してから様々な事柄が起こってしまった。
簡単に振り返ろう。
竜と豚が動画中毒になりガトと獣人は去った。
ドラゴンも出て行ってラマスとスリーマンセルが来た、勝手にだ。
門外漢扱いされたレッサーデビルのヴァンプだけは合流したがエバンガはトラックに……
皆でウラジオストクを目指すがペトラは眠いしギレスラは既に夢の中。
これが暗黒時代! 後々の世まで嫌悪と不快感を伴って語られる時代の概要なのだ、恐ろしい。
だがしかしっ、ご安心頂きたい。
全ての夜を掃う夜明けがある様に、暗黒と呼ばれる忌むべき時代にも終わりは必ず訪れるのである。
ある賢者は言った、苦境こそが次なる時代の礎となり得るのだ、と……
確かに、この暗黒があればこそ、次代たる解放を産み出す事が出来た、そうなのかも知れない。
そして、私、観察者のフェーズはここより新たな部分に入る。
陰鬱で苦悶に溢れた暗黒時代にお付き合い頂き心よりの感謝に堪えない。
しかし、それもここまでで終りである。
ここからは新たな時代、名付けて『混沌時代』とお付き合い願う事としよう。
後世がそう呼んでいるのだから仕方ない。
消えたままのレイブ、残された面々は更なる混沌の深淵へと…… お楽しみ下さい。
爆走を続けるエバンガは順調に南下を続けていた。
北緯が下がるごとに湿度を増やす悪路を物ともせずに一万ccのエンジンが唸りを上げる。
馬力やトルクだけに留まらず、周囲の環境にまで留意したクリーンエンジンは信頼感抜群なのだ。
今やほぼマシーンで煌くボディは目に眩しい、とは言え恐らくエバンガは生身である、と思う……
だが心配は要らない、心なしか荒くなった呼吸を補完するかの様にヘッドの横からタービンの甲高い吸気音が鳴り響く。
再びの駆動力を得たトラック、いいやエバンガは、肛門からのクリアな排気も勇ましく、更に力強く大地を踏破して行くのである。
とは言えだ、文明が消えて久しい荒地のドライブ、いや、疾走だ。
時速何百キロみたいな無茶は望むべくもないし、望んだらエバンガが故障、いや、怪我とかするかも知れない、エンコ的に。
必然的に旅は日を跨ぐ事になる、ウラジオストクは直線距離でも二千キロ以上あり、更には一行が選んだ道は海沿いの砂地中心、エバンガの新たな四肢、グラベルタイヤはダートシーンでこそその真価が発揮出来るからだ、つまり道程が遠くなる事も厭えないのである。
昼夜を別たず走り続けるエバンガ、冷却機能の充実が窺い知れる……
仲間達は安心して荷台で楽しく過ごし、根っこや温泉水だけの質素な食事を取るのにも満面の笑みと雑談が一つの味わいとなって加えられた様だ、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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