【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1627.悪の中の悪、受難の巻
『偽神』は完璧なのだ、兎に角。
完璧に変化したサタナキア、サタンの姿を直後に目にしたのは地上に這い出した巫覡の騒ぎに集まった村の戦士達であった。
手に手に槍や刀を握り締めて覚悟を面に貼り付けた屈強な勇者達はサタンを一目見た瞬間、綺麗に声を揃えたのである。
「「「「ひ、ひええぇぇぇっ!」」」」
巫覡同様、腰を抜かしたのだろうか? 四つん這いで地上へ逃げ出したのである。
『あ、あれ?』
何故村人選抜の勇者達が逃げ出したのか、サタンには皆目見当がつかなかった。
再三の繰り返しになるが『偽神』は完璧な変身を実現させるスキルである。
現にこの時、サタンは彼が知りえるイーチの姿と完全な生き写し状態、多分身内とかでも判別不可能なレベルで化けていたのである。
更に深く首を傾げながらサタンは繰り返す。
『あれれ、何でだ?』
言いながら見つめた両手もその先にある肋骨や骨盤、大腿骨の骨達も、彼が知るイーチ自慢の美しく白く輝く剥き身の骸骨だったのだから、その疑問も当然だろう。
その後、村人達は自分達が先祖の英雄と称え続けてきたスケルトンの討伐隊を組織した。
感謝や仲間意識どころか、一転化け物扱いで追われたサタンはアルテミス配下のティンバーフライに化ける事で、何とかオラシュチエからの脱出に成功したのである。
黒海のほとり、葦が生い茂るぬかるみに身を潜めながらサタンは思った。
――――何がダキアの英雄だよっ! あの白骨野郎、適当な事吹き込みやがってぇっ!
と。
どうやら、この時点のサタン君には現実社会な地上を腐乱死体や白骨が歩き回る事が、常識的に見てどうかとか如何な物かとか、流石にソレはチョットとか、そんな瑣末な事には興味がナッシングだった様である、ならば仕方があるまい。
そーゆー事ならこのまま頑張って、綺麗な骨格を受け入れてくれる優しい村でも見つけるしかないだろうな…… そう覚悟した瞬間、サタンは再び思い至ったそうだ。
――――待てよ? バアルがここいらで大人気だってんならアイツに化ければ良いんじゃないのか? そりゃそうか、既に現在進行形で成功体験があるんだからアイツで良いんジャンっ! 良し! 『偽神』…… うん、こんな感じか? いや、こんな感じよね、オホホホホ
思って即行動に移す事を積極性だと肯定的に捉えるか、検討不足で軽率だと評するかは意見の分かれる所だろうが、この場合は前者だったと言えるだろう。
当時のバアルの姿は判り易く人間のそれであった。
ここまでの魔神丸出しやどう見ても生物の範疇に属していなさそうなカタカタ鳴りっ放しの白骨ではなかったのだ、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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