【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1711.代替案
広げた両手を口の前で重ねて止まっているサタナキアに、ヨハンは頭を深々と下げながら言葉を続ける。
「この際、庶民の事はどーでも良いんですよ! でも妻だけはどうかお助け下さいっ! ほら、エリクサーですよっ! アレを下さいませっ! 一人分だけっ! 妻の分だけご都合願いまっすっ!」
正直かよ…… まあ、気持ちは判らんでもないが……
しかしだ、請われた所でサタナキアは応え様が無い訳で……
「え、エリクサー? ってアムリタでしょ? そんなのアタシ持って無いわよぉー、確かカーリーって頭がイカレた黒いブス女が持ってるらしいって聞いてるけどぉ」
おい、言ってくれるじゃないか……
ヨハンは絶望に顔を歪ませる、まるでデスマスクだ。
「エリクサーが無い…… ではどうすれば、妻が、妻がぁー! オーイオイオイオイ、オーイオイオイオイ!」
「ま、まあまあ、要は病気とかなんでしょ? だったら何とかなるわよ、きっと! 取り敢えず診せてみてよ、ね? ほら喉とかも渇いたしさ、屋敷に入りましょ!」
その場しのぎ的な言葉とおためごかししか言っていないサタナキアの後ろでは、頭の周りに浮かんだ魔核の内、一つが明滅して何かを訴えている様だ。
サタナキアは誰にとも無く唐突に言葉を発する。
「ああそうね、病気だったらアンタが治せるわよね、あくまでも普通の病気だったら、だけどね」
「どうされました、神の母よ?」
「あー良いの良いの、さっ、何か飲んでゆっくりしましょ」
目的変わってるよな。
当てにしていた万能薬が手に入らない絶望感から憔悴し切ってしまったヨハンは、筋肉執事のゼッセルマンの肩に担がれて室内へと運ばれた。
応接のソファに腰掛けたサタナキアは図々しくワインとチーズなんか命じたりしていた、流石悪の中の悪、堂に入った物だ。
程無く注文の品を運んで来たドライナースの顔や腕にも派手めなドットが浮かんでいたが、一切気にせず口にした胆力も中々の物だ、若しかしたら鈍いだけかも知れないが。
感染るかも、そう思わないだけでも命の究極系、悪魔の一柱なのでは無かろうか? 美醜の選球眼は、まあ、怪しいモンだが、それなりの耐性位は持っているのだと思う。 黒いブス? は? 誰が? ※カーリーは割と根に持つ方です
「うん、美味しいわね♪」
目の前で塞ぎこむヨハンを前に舌鼓とは恐れ入った神経だ…… それに依り代も使っていない生悪魔、つまり食べる必要なんか皆無にも拘らずこの喰いっぷり、随分娑婆に適応して来たみたいだな、お前……
一方の領主と言えばだ、プルプル小刻みに震えながらも一所懸命に現状の説明を続けている、元部下、いや現在進行形で部下な筈の執事と兵士長がサタンと並んで踏ん反り返り、鷹揚に頷きながら一杯ヤってる所を見ちゃうとちょっと哀れな感じすら受けてしまう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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