【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1763.ジャガランディ
レイブは聞き逃さない。
「ネコ? 魔獣か?」
『あ、でも見た事無い奴っすよ? ジャガランディかな? 老いさらばえた感じで白髪で…… 何か痩せこけて幸薄そうな惨めな死に掛けってムードでヨロヨロしながら川の水飲んでたっすよ?』
『ジャガランディってあのイタチっぽいネコよね? 食肉目ネコ科の』
『っす!』
『確かにあんまり見ない魔獣よね』
『多分アレ甲状腺機能亢進症っすね、俺等ちょいちょいあるんすよ、チロキシンの過剰分泌なんすけどね? 遠目でも漏らしてたっすからねー、ああなっちゃもう終いっすよ、可哀想っすけど』
流石はネコ科だ、結構詳しいな。
甲状腺機能亢進症はネコ科が罹患する割と一般的な病気である。
パダンパの説明通り、甲状腺で分泌されるホルモン、チロキシンが過度に増え過ぎ、代謝が促進され過ぎる事で急激にやせ細ってしまう病である。
観察した結果が示す様に多飲多尿もその代表的な症状とされ、進行すると毛色の変化や部分的な脱毛なども見られる場合があるらしい。
パダンパは言いながら軽く身震いをしている、他人事、いや他猫事では無いのだろう。
ギレスラは惻隠したのかいつに無く物憂げな表情で言う。
『種族毎に恐ろしい病気が存在するのだ…… 我々ドラゴンのくる病や脱皮不全と同じなのだなぁ』
『っす』
「人間の石化とか水虫も同じだな…… ペトラで言えばブタインフルとかか?」
『アレ人間にも感染るらしいわよ? 稀に、だけどね』
「マジかっ!」
『っす』
レイブとペトラはブタインフルエンザに戦慄きを隠せないでいるが、恐らく中身のアスタロト効果で罹患する可能性はゼロ、ギレスラのくる病も同じ、きっとバッタとタイゴンも同様だろう。
ギレスラは並みの胆力も無いのに堂々とした風情で話題を戻す、頑張っているな。
『それで見ていただけなのか? 話し掛ければ良かったではないか』
『いや川の向こうだったんすよ、ほら俺って濡れるのアレじゃないっすか』
ああ、ネコ科は命に関わるとか言ってたよね、ならば仕方ないか。
ペトラはパダンパが咥えたままの枝を見ながら質問だ。
『で、アンタのソレ、フラメンコっぽいのは何なの?』
パダンパはキョトンとしながら答える。
『あーコレっすね、偵察用のカモフラージュっすよ! 所謂遁術、隠形って奴っす! こいつは木遁、名付けて木の葉隠れ、いや柴隠れっすね!』
『ふーん、でも丸判りだったわよアンタ、下手なんじゃない?』
『ちょ、厳しいっすよ!』
厳しいも何も、今現在進行中でカモフラっているのに普通に話し掛けられているのだ、認識阻害効果は皆無である、猫影への道のりは果てしなく遠いと思うってばよ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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