【1935話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1935.気は優しくて力持ち
察するに、ナッキ達魚類がハタンガを去った後、陸上を移動出来る面々はハタンガに残った、若しくは二重生活、いや二拠点生活をしていたと類推できる。
ご存知の通りカメは水陸両用、汎用性に加えて高い防御力と我慢強く目標達成の為に邁進する性質で知られ、タンク、つまり戦車のモデルとされたりもしているのだ。 ※諸説ありますが、興味がおありの方はイソップ童話『うさぎと亀』をご参照ください
仲間達が馬鹿みたいにデカくなり、ハタンガ周辺の水場で生活する事が困難で仕方なく海に去った後、不毛のツンドラをコツコツ孤独に歩き続け、残された民の為に古巣、いや古池に戻った長老キトラ…… 絵面的には結構イケる、ハリウッド映画で観たい位だ。
恐らくだが、ハタンガが魔力に襲われた後、こっち側(東)に移動したのだろうが…… っ! そ、そうか! 竜王達を使ってハタンガを攻める理由、それは望郷の念ゆえ、だったのだろう…… ナッキ達に任された地を再び取り戻す為に命を捨てて、って奴なのか…… ちきしょう、ど根性モノじゃねーかよ、グスッ。
手段の良し悪しは兎も角、その執念と愚直なまでに役目を全うしようとする純粋さ、私、観察者は個人的に嫌いでは無い、いや寧ろ大好物だ。
では引き続き観察を続けよう、長老キトラの飽くなき挑戦と賑やかしのスリーマンセルの冒険である、共に楽しんで頂きたい。
巨大なオサガメの鼻先に抱きついたまま嬉し涙を流すレイブ、今はアペプと呼ばれているらしいハタンガの副王にして長老、オサガメのキトラ爺さんは相変わらず重低音の声で話し掛ける。
『お前独りか? レイブ、他の子達はどうしたのじゃ? 無事なのか?』
「え、ほ、他の子?」
『ゴライアスの子じゃよ、他にも幾人かいる、そう言っていたじゃろう! ほれ、昔お前と暮らしていたのじゃろう?』
なるほど、長老としては幼い子供達の行く末が一番の関心事だと、そりゃそうか。
レイブは答える。
「あ、ああ、ガトとは一緒に旅をしてきてさ、今は少し離れた所で待たせているんだよ! 後、シパイはハタンガの西で無事らしい、イシビベノブはまだ判らないんだけど……」
『そうかっ! 四人中三人も助かったのじゃなっ! 良かった、本当に良かったのう!』
「あ、う、うん、そうだよね♪ イシビベノブも無事だと良いんだけどさ……」
やはりどことなく不安そうなレイブ、兄同然だから当然と言えば当然なのだが、親子、夫婦ですら別々に暮らす事が普通な時代では珍しい感情の発露と言えるだろう。
『そうじゃのう…… イシビベノブ、か? フォグの里の子じゃった筈じゃなぁ、うむ、無事だと良いのう』
流石っ、長老とか年寄りは大概優しくて分別がある、アニメやラノベの不文律をしっかり守っているキトラである、きっと大切なのだろう。
まあ子供は国の宝、これは洋の東西、時代の新旧を越える言わば常識って奴だろう、納得しかない。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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