【2135話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2135.捻り出せっ!
多少デカくはなったがまだまだ幼いカタボラと華奢なラマス、どーゆー了見で選んだのか、はたまたいつも通り何も考えていないのか、出たとこ任せのいい加減さを喜ぶトナカイが一頭。
――――ここだ!
『おほん! 小さな友人達が重い荷に難儀するのは目に耐えかねますわ、今回は私、エバンガが運んで差し上げましてよ』
心なしか慇懃さが際立っているな。
一番に大喜びすると思われたラマスはカタボラと共に新たな棺桶に歩み寄りながら後方に向け声を上げる。
「良かったわねミロンにブロル、エバンガが代わってくれるそうよ」
『えっ?』
エバンガは思い出した、レイブ達が旅立った後、サリトへの旅路、その後の拠点の建て直しの間中、食料調達と物流部門を一手に担っていたのはラマスとカタボラ…… 見た目以上の豪腕(二つの意味で)だったなぁ、と。
スリーマンセルでありながら、そんな事すら失念するほど遊び呆けていた自身の怠慢が憎かった、楽しかったサリトの田畑を駆け回り人々から害獣なんて罵られた日々が悔やまれてならなかった。
口惜しさに顔を伏せたエバンガは自分の前に立つ気配を感じて視線を上げた。
『え』
そこには満面の笑みを浮かべるミロンとブロル、それぞれ背後には巨大な棺桶が置かれている。
「なんかすみませんね、エバンガさん」
「ご親切にどーも、よろしくお願いします」
『え、は? あ、ああ、えっと』
何なんだよお前等はっ? テメー等じゃねーしっ! そう思いながらも何か引っ掛かるモノを感じたエバンガは聞く。
『あれだっけ? アンタ等ってハタ坊の子分、だっけ?』
そんな登場人物は知らない、しかしミロブロは主、いや、元主の呼称に拘るほど狭量では無かったらしい。
「はた? いいえ我々はレイブ様の眷属ですよ? これまでもこれからも、永遠です」
ミロンは真面目だがエバンガの役には立たない。
「まあ以前はアガリアレプトの奴隷みたいな扱いで依り代は森王ダソス・ダロスの民でしたけどね! それが何か?」
珍しくブロルのが役に立った稀有な例だ。
大トナカイは喜び勇みつつ首を立てて答える。
『なるほどっ! 森王ダソス・ダロスの民、つまりハタ坊の子分だったのね♪ 判りました…… 非力で脆弱なアンタ達に代わってこの私、エバンガさんが重荷を背負ってあげるとしましょうか! 但しっ! 無事ハタ坊と合流した暁には今回の顛末をしっかり、ちゃーんと、やや大袈裟気味にハタ坊に伝える事っ! それが約束出来ない場合には、一切っ、協力は出来ませんのよっ? お判りかしらっ?』
そう来たか…… 新規参入メンバーに恩を売って追放後の立場に固執するスタイル、か…… 軽い捻りは感じられるが割と良くある手法だよな、ソレ? 「何故あの優れた方を追放されたのですかっ?」的な奴だよね? アレって自分が去った後に元パーティーがズタボロにならないと発動出来ないパターンだぞ? 果たしてそー上手く行くかねぇ?
エバンガ自身も認めた通り、ラマスとカタボラはこいつ抜きで充分働けていたんだから、まず、前提から違う…… 戦力にならないメンバーが普通に解雇されるだけだ、それはざまぁでは無く逆恨み物の駄作に過ぎないだろう、低評価そうだな…… 頑張れエバンガ!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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