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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1121.Tracker


 全身の動きを停止させ判り易く息を飲むギレスラ。
 恐らく妹属性のペトラが先んじてゴールした事に少なくないショックを受けているのだろう。

 もう一人の兄、レイブは屈託を感じさせない笑顔で言う、少し馬鹿っぽくもある。

「へぇ~、よく考えたもんだなぁ~ペトラ! 大した物じゃないっ! ね、アスタさん! 新しいスキルですよ? 凄くないですか? ねっ?」

『無論、凄い所か驚愕の成果といって良いぞ、誇るが良い! 良くも悪くも影響の無い魔力行使は『反射リフレクション』の対象とはならん! それを見抜いただけではなく種族に由来する特技、『回復ヒール』の可能性まで拡張させる切欠きっかけを掴むとはなぁ~、大した物だぞペトラよ!』

『えへへぇ♪』

『今後も様々な生き物や物質相手に『鑑定』を使い試行錯誤してみるが良い、それぞれの状態を把握し理解する事で新たなスキルへと昇華させる事も可能だろう、自分だけのスキルを手にした存在の魂はそれだけでアートマンへと昇格する…… 流石は我の依り代だな、このアスタロトも誇らしいぞ! くははは!』

『えっへん!』

『くははっ! こらこら落ちるではないか、くはははっ!』

 アスタロトの言葉を受けて誇らしげに胸を反るペトラ。
 背に乗ったアスタロトも注意する口調に反して嬉しそうに微笑んでいる。

「『鑑定』…… 『鑑定』…… あれぇ? 『鑑定』…… 駄目、か…… 『鑑定』」

 レイブはレイブで案の定、出来もしないスキル名を詠唱し続けて首を捻っている、哀れになる。
 一行の先頭で振り返り、スリーマンセルと彼等に憑依している魔神の様子を微笑まし気に眺めていたテューポーンがちょいちょい飛んで楽をしていた赤い竜に対して声を掛ける。

『おっ、ギレスラ殿、いい感じじゃないですか! 目の付け所は合ってますよ、その調子その調子!』

 ん? 何を言っているんだ?
 当のギレスラは飽きてしまった様で大きな口を空け馬鹿みたいな欠伸をしているだけだと言うのに?

 妹分のペトラが何やら凄い事をしでかしたらしいのにいい加減な竜じゃないか。
 しかも強烈な睡魔にでも襲われているのか何度も何度も大欠伸おおあくびを繰り返している。

『クアァー、おお、吸えた…… フワアァー、それに充填も…… 出来たぞ……』

『おおやりましたなギレスラ殿、お見事です』

 えっ? 真面目なペトラは兎も角、ギレスラまで?
 嘘みたいな話であったが、こうしている間にも竜の鼻先でバランスを取っている魔石は、赤くなった瞬間透明に、次の瞬間には又赤へと色を変え続けている。

 驚いて目を剥いているペトラの背からアスタロトが声を掛ける。

『ギレスラもか! やるじゃないか、くふふふ、ブレスだな、そうだろう?』

『そうっ、ペトラの話を聞いていて思い付いたからやったら出来た、影響を与えないブレス、つまり常温のブレスで充填、吸い戻したら空に出来た♪ ガハハ♪』

 なんとっ! 大欠伸を繰り返していたとばかり思われたギレスラは、自分の得意技、ブレスを工夫して魔石の謎を突破してしまったらしい……
 しかもアスタロトの呟きを聞いて即座に常温のブレスを思い付くとは…… 恐れ入った切れ味である。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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