【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1492.限界突破
この時代の竜種は通常人や物を載せる事を忌避していた。
理由は幼少の頃から魔力を使って飛翔していた、それである。
思い出せばドラゴネットと表現される頃からギレスラも可愛らしくパタパタと飛び回っていたが、当然翼による物ではない。
おもちゃみたいに申し訳程度に生えている小さな翼にそんな揚力が産み出せる筈が無いのである。
賢明なオーディエンスの皆さんならばご記憶にある事と思うが、この飛翔は魔力に因る物なのである。
かつて悪魔達が幸福寺や周囲の茶畑に屯していた時代、空を飛べる魔王種や鳥系の悪魔、他にも竜やスカンダ、ガネーシャ兄弟なんかが手慰みに教えた風魔法が時を越えて伝わった、つまり『飛翔』のスキルに過ぎないのである。
結城氏夫妻が、休みの時なんかに連れて来た初期のドラゴンにふざけ半分に教えたりしちゃって、
『おおっ、飛んだ飛んだっ! やんややんや♪』
的にやったヤツがこの時代の竜の飛翔の正体なのである。
当然、スキルの対象は自分自身に限られている、所謂セルフバフってのの一種だ。
つまり、基本的に自分独りしか飛べない、のである。
ギレスラはこの縛りを越えた…… 前述した持ち前の自意識過剰によって、である。
言い訳の為だけに狩り捲った獲物の大型モンスターを持ち帰ろうと、逞しい後肢だけでなく短く非力な筈の前肢、更には翼が生えた背中、角で見るからに狭苦しくなっている頭上、嘴状に尖った口、無駄に長いな、なんてちょっとしたコンプレックスを抱いていた尻尾まで、全身のいたる部位を使い捲っての努力を始めたのであった。
慣れぬ重量バランスに悪戦苦闘し、墜落を繰り返し続けても、何度も何度も立ち上がり、全身を酷使してでも獲物を諦めなかったのは、ひとえにニーズヘッグとしての生来のガッツ、それに成長過程で育まれた不遇ゆえの浅ましさが功を奏した、そんなところであろう、禍福は糾える縄の如し、だな。
そんな調子でチャレンジ三日目に当たる昨日には、一度も地面を舐める事無く、そして獲物を土に落とす事も無く帰り着いたのだ。
今朝もまた、たっぷりの糧を無事持ち帰ったギレスラは誇らしさに胸を張っていた。
この三日間で自分のステータスの内、素早さや器用さを示すアジリティと、魔力量と魔力操作の効率性を表すMAPが馬鹿みたいに伸びている事も知らないままで、である。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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