【1915話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1915.煩悶
『ヤバっ! 来たわよ! どうすんのっ? 殺るのっ?』
「言葉遣いも随分乱暴になっちゃって…… 俺にはお前が何を考えてるのか皆目……」
瑣末な部分じゃなくて内容を聞けよレイブ。
子育てに思い煩うレイブでは無く、もう一方の兄は一歩踏み出しながら堂々と胸を張り反らす。
『雑魚共がっ…… 我のブレスで燃やし尽くしてくれん!』
『殺るのね? 殺って良いのよね?』
ペトラもその気らしい、まあ相手はドラゴンだ、飛ばれたらこの娘は無力だろうが、その意気込みは大したもんだ。
勇ましい妹の声にギレスラの返事は返らない、どうした? ビビっちまったんじゃ無いだろうな?
『…………ん? あれ? 何で、なのだ?』
『どうしたのギレスラお兄ちゃん! 殺るんでしょう? ふーっふーっ殺ってやるわっ! 全員ぶっ殺してやるっ!』
「まるでシリアルキラーじゃんか…… もうどう接して良いのやら……」
相変わらず瑣末だ、思い切って抱きしめたら全て解決するかも知れないぞ。
レイブに比べギレスラの事態は切迫している。
『ブレスが出ない? しかも角からの電撃も駄目だと? ど、どうして……』
『そう言えばさっき死に掛けた時、自己回復出来なかったわよ? 魔力切れなんじゃないかな? で、どう殺るのギレスラお兄ちゃんっ!』
「やめろよ! もうっ、口を開けばヤルヤルばっかりっ! 元の素直なアンタはどこに行っちゃったんだよっ! んなこっちゃまともな世間で通用しないんだぞっ!」
レイブよ、世の中より取り敢えず肉薄している怒れるドラゴンをどうにかしようよ……
一方ペトラは返事を返さない兄を訝しむ。
『ギレスラお兄ちゃん?』
『ま、まずいのだ…… 一旦…… 飛べない? だと…… あわわわ、危ばいのだ……』
あろう事か自分だけ逃げようとしているし……
怒りに燃えるドラゴンは既に目の前、事ここに至っては既に…… そう思われた時、やけに明るい大声が場に響き渡るのである。
『へぇ~っ! じゃあ今のもマジックだってーのかーっ! 竜王様も協力してってー、本当かよーっ、親父ーっ?』
パダンパだ、少し棒読みだがボリューム感に溢れる元気な声だ。
ビックッ! ピタリ! ザワザワザワ……
今にも飛び掛りそうな勢いを殺し、完全制止したドラゴン達は、聞き覚えがあるパダンパの発言に耳を澄ましている様だ、流石は竜、凡百の獣ではこうも上手に停止出来ないだろうに。
直後に湧き上がったざわめきを破ったのは父親の方のネコ科、レオニードの言葉である。
『あー無論本当だともーっ! あんな感じで愚かな種族、ニンゲンやそこらの野良魔獣だったらまんまと騙されてしまうんだぞぉ? まっ、ここ竜王の里の魔獣だったらあんな判り易い手に引っ掛かる大馬鹿なんかいないけどなぁーっ!』
うん、こちらも良く通る大きな声だ、聞き易さっ!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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