【1995話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1995.漁村の半数は東洋のナポリ
パラトゥンカのプール並みにデカい温浴施設を通り抜け、辿り着いた場所はギレスラの言葉通り、切り立った崖に囲まれた袋小路である。
かつて日本で住み暮らした私、観察者にはここが日本で無い事は一目瞭然だ。
とは言え、だ…… 一見してそれと判らない場所でも実は、なんて事も結構ある。
どう見ても千葉で中国風だったり脈絡も無く恐竜やドローンのイルミネーションに囲まれたとしても、東京且つドイツだったりする場合もあるし、言うまでも無くあのネズミの国も同様だろう。
若しかしたらここいらの生物にとっては、ここが日本ぽかったりもするのかも知れない、パルケがエスパーニャだったり日本海に面した砂丘が砂漠に見える皆さんならばご理解可能であろう、他にも福島のブリティッシュや北海道にはカナダやプロバンスだってある、丸亀にはブータン、自由が丘にはベネチア、群馬にゃロックハート、埼玉には北欧までもがっ! ねぇム○ミン? なのだ。
ドラゴン達が日本をどんな風に見ているのかは定かでは無い、無いがしかし、彼等が日本ってこんな感じぃ、的に思うのならば無碍に否定するのもどうかと思う。
私、観察者の卓越し過ぎた理解は次の言葉であっさりと覆された、竜王グラムランドの発言だ。
『こんな殺風景な崖下が伝説の地である訳が無いであろう』※前出の日本の各施設の事ではありません そちらは本物そっくりです きっと
『む、そうか? 確かに荒涼として寂寥感しか無いのだ』※繰り返しになりますが日本の施設の事ではありません
『本物はもっとこう魅力に溢れている筈であろう』※偽物だって捨てた物じゃありません
『当たり前じゃ! ここは現地じゃ無いからのう』※それを言っちゃあお終いでは?
『パッパ、では何故ここに来たのだ?』※それ聞く? 虚しさや淋しさしか覚えないよ?
『ここには日本への入り口があるからじゃ! ほれそこ見てみい』※やはり日本中の施設の事ではありません ほっ
『『どれどれ』』
ウズラカメムシの細い前足で指し示された場所を覗き込む二頭のドラゴンの目には、岩肌の表面が僅かに揺らいでいる事が見て取れたのである。
グラムランドが目を細めながら聞く。
『何であろう? 以前はこんな揺らぎなど無かった筈だが?』
レオニードが即座に惻隠する、流石は幼馴染だ。
『ルッカ、竜王様はよく独りでここらに来ていたよね』
『うむ、時折な、無性に独りになりたくなってな……』
王者故か? 玉座の孤独って奴かね、大変そうだ。
気を取り直した表情を浮かべ、グラムランドは断言だ。
『兎に角、こんな揺らぎは無かったぞ! これは一体何なんだ?』
キトラのカメムシが答える。
『これは異界への入り口を守る扉、所謂マジックマテリアルじゃぞい! レイブがここを通った時に破壊して行ったんじゃろう、不安定になっているんじゃな』
『なるほどなのだ』
『ふむ』
『へー』
『っすか』
「我が君……」
「どうかご無事で……」
『ジジジ♪』
反応はそれぞれである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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