【1802話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1802.ケアレスミス?
『レイブ~、何も見えぬ、身動ぎ一つ出来ぬ~、た、助けてくれーいぃ』
か細く弱々しい声は確かにギレスラの物らしい、そう判断したレイブは素早く抜き去ったゼムガレのナイフを鱗の化け物に向けて振い始めた、この気持ち悪い固まりはあの可愛らしい弟なのだ、きっとそうだろう、多分そうだ、そうであってくれ! そう心に反復しながら……
ザクザクと、常より雑に鱗を剥がすレイブの前に、漸く顔を見せたギレスラが焦り捲った声で言う。
『レイブ~、もう駄目かと思ったのだ~、うっうっうっ~』
レイブもほっとした表情で手を止めて返す。
「俺が近くにいて駄目なんてあるかよ、馬鹿だな♪ んでもお前らしくないな? どうした、加減を見誤ったのか?」
なるほど、加減を見誤って吸い過ぎたギレスラが魔力過多に陥って鱗に包まれた、と……
確かにレイブと全く同じキャリアを持ち魔力の性質やその扱いにも長けている筈のギレスラにしては迂闊に感じる、なんだ? トラいびりが楽し過ぎて羽目でも外したのだろうか?
『ち、違うのだ! 我はいつも通り、いいや、常以上に細心の注意を払って取り組んだのだっ!』
むむむ?
「そうなのか? なら何で鱗塗れになっていたんだ?」
当然の問い掛けっぽい…… しかし何故だろう? レイブの視線は自分の横、並んでいるレオニードをチラチラし過ぎていてどこか集中力を欠いている様な気がする。
まだ全身の殆どを鱗に埋没させたままのギレスラは露出済みの顔をいつも以上に紅潮させて言葉を返す。
『ああ、実は思いも掛けない事が起こったのだ! 尻尾から魔力を――――』
「あーちょっと待てよ? まだ上半身側のペトラが魔力を吸い戻し始めていないみたいだからさっ! えーグフングフンっ! ペトラが吸い取り始めるまで待てよー! ペトラが吸い始めるまでなー!」
『そ、そうか! 判った、待つのだ! ペトラが吸い始めるまで、我は待つのだー!』
なるほど、少し手間取っているペトラが吸収作業を始め、レオニードの安全が確保されるまでは、ギレスラに起こった不測の事態、言わば謎に向き合う事など出来はしない、そーゆー訳なんだな、レイブの生真面目さが窺える一コマだな。
真面目さ故だろう、通常よりかなり大きめな声での会話が届いたのか、言葉が終わるや否やペトラの魔力吸引が開始されたらしく、早速レオニードの頭部が縮み始めた。
正確には縮むでは無く、萎む若しくは萎えるのがピッタリな表現だろう、目一杯まで膨らまされた頭部の皮は弾力を失ったらしくシワシワにしなびているからである、枯れるも間違いでは無い。
「我が君、無事萎れ始めましたよ」
「ピークの一割減、元からすれば大体三倍強位まで戻りましたー」
『ジジジー』
『良かったな親父っ!』
拘束担当の声音にも安堵が含まれている、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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