【1999話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1999.境界
神々が自らの住処であるクラックと現世の中間、所謂境界に設ける場所は、『逢魔が原』と呼ばれる一種の結界、神籬や磐座と言った方が皆さんには馴染み深いだろうか? そんなんが置かれて大変判り易くされている場合が多い。
ここからは貴方達の来る場所ではありませんよ、早くお帰りなさい、的に追い返す、グフングフン、引き返す事を促すとても親切なエリア、思いやり空間だ。
ここに足を踏み入れると心拍数の上昇や全身の強張り、異常な喉の渇きに悪寒、幻聴や幻視、視覚から色彩が失われたり総身の毛が逆立ったり、判り易さ満点の異常を感じる事が出来る、ってか強要される。
そんな経験をした場合には無理をして前進せずに本能通りに回れ右、さっさと引き返して自宅の私室に篭もり、暖かいココアでも飲んでホット一息、落ち着いたらすぐさま眠って、今日の事は忘れてしまえ~、と推奨している、悪魔は兎角、懇切丁寧、随時優しさ増量キャンペーン実施中、なのである。
今、ギレスラ達の目の前にある揺らぎ、日本へ続くクラックの入り口、言わば逢魔が原への神籬も、そう言った警告エリアの一つに他ならない、否が応でも緊張感が高まる場面である、ドキドキして欲しい。
『入って良いぞい、ってかお前等大き過ぎて入れんのお……』
これは、一行に先んじて揺らぎを越えたカメムシ、長老のキトラ爺がひょっこり顔を覗かせながら口にした言葉である。
大柄な面々の中から、比較的小ぶりなドラゴン、ニーズヘッグのギレスラが答える。
『ンガァ! 小人の隠し穴にあったミョルニルみたいな奴が無いと入れないのだ……』
なるほど、打ち出の小槌的なハンマーだな、良く覚えていた物だ。
『ん? ああ、そうじゃな! あるぞい、ミョルニルっ! ちっと待っとれ、すぐ持って来るでな』
あるらしい…… 元は北欧の巨人ゲルド由来のアーティファクトだった筈だが量産されていたとは…… 飽くなきイノベーションを感じる。
まあ、このクラックが善悪やコユキ、所謂幸福寺の奴等が作ったと言うのならば、この、スモール&ビッグな感じのライト機能を持ったハンマーが準備されている事も当然だ。
何故? いや、見れば判る、もう一目瞭然だ。
目の前で顔を出したカメムシ長老、大きいとは言え大体人間の半分位の大きさが窮屈そうに出て来たのだ。
一目であのコユキと善悪が通れるサイズじゃあ無い事が判る、足だけでも険しい位なのだ。
普通に小人化出来るアイテムを使って行き来していたのだろう、折角ゲルドが配下にいるのだ、死蔵とか勿体ない、あの二人ならばそう即決した事だろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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