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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1739.因果窺知


 ハスドルバルの発言で九死に一生を得たバアルは自信満々で口を開く。

「ハスド、ラ・イル…… お前の言う通り、妾達が先程から話しているのはルキフェル兄様の魔力について――――」

「愚か者のせがれめがっ! 今話題にしているのがそんな判り切った瑣末さまつな事な物かっ! 馬鹿者がっ!」

「っ!」

「え、でも、今バアル様も言い掛けてらっしゃいませんでしたか?」

「えっ? そうなのですか? バアル様?」

――――違うのかよっ! にしてもハミルカルの奴、兄様の魔力を、瑣末、だと? ふ、不敬っ! 不敬の極みっ! 後でギャフンと言うめにあわせてくれんっ! しかし今はリカバリーが最優先だな、良しっ!

「これこれ、ラ・イル…… お前の言う通り、妾達が先程から話しているのはルキフェル兄様の魔力について、では無いのだよ? とっ、妾はこう続けようとしていたんだが?」

 多少強引な論ではあるが、信者であるハスドルバルには充分な説得力を発揮したらしい。

「そーなんですね、すみません早とちりでした」

「当たり前だ馬鹿者っ! 我が君、バアル様がそんな判りきった過ちを犯す筈が無かろうっ! 未熟なお前の様な馬鹿では無いのだぞっ!」

「当然だね」

――――ちきしょう、一々ムカつく言い方だなコイツ…… ヘルヘイムに帰ったらネチネチ苛めてくれよう! そうだっ、会議の時にコイツの椅子だけ脚一本を短くしてガタガタさせてくれんっ! クフフフ、集中出来なくしてくれるわっ! クッハハハハーッ!

 幼稚にして酷薄な復讐を心に誓ったバアルは少しすっきりした気持ちで本題に向き合う。

「さて、話題のもう一つの大きな残滓ざんし、ハミルカ、ジル・ド・レ程に英明で博識、賢過ぎて妾なんか馬鹿だと思っている位の知恵者でも表現に窮する魔力の正体を調べてみましょう」

 少し根に持っている様である。

「お褒め頂き恐悦至極でございます、我が君」

「良かったですね、親父殿」

――――ちっ、嫌味にも気が付かないとか? あー英邁えいまい英邁、お利口だ事♪ にしても…… 確かにこの魔力変だな? ってかコレそもそも魔力? 生命力なのか? ふむ、ちょっと真剣に調べてみるか……

「『因果窺知カルマ』」

「おおっ!」

「我が君っ?」

 手下共の声を放置したままで、バアルは残された魔力の因縁に深く意識を潜らせた。

 バアルが使う数々の領域スキル、とりわけ因果の変改を伴う空間を構築する為の解析スキル、それがこのカルマであり、彼が生来保持していた言わば原初の技にしてバアルをバアルたらしめている取って置き、魂を生や死から切り離して使役する権能の元なのである。

 全ての事象、結果から始まりの因縁、切欠きっかけを探り当てる事でそこに干渉し、強引に結末を捻じ曲げる、魔界随一の精緻な業師が潜行した魔力残滓の中とは……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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