【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1239.それぞれの真実
『兎に角! アタシの鼻はこっちがギレスラお兄ちゃんだって言ってるのよ!』
「いやいやいや、万が一違ったらどうするんだよ! あーっもうっ! 頑固だなお前ってばっ!」
『自分こそ頑固じゃないの! 良い? もう一度言うわよ! 匂いは嘘をつかないの! 足裏は足裏、納豆とは似て非なる物なのよ?』
不快な方向にアレンジしていたりする。
レイブは首を傾げながらであったが、再び耳当たり的な影響を多分に受けてしまった感じで返す。
「納豆? ってのはイマイチ良く判らんが…… ふぅー、んじゃこうしたらどうだ? そっちの偽者の肉や鱗とこっちの本物の鱗、両方一緒に埋葬しちまうってのは? それなら文句無いだろ、ペトラ」
揉めに揉めた話し合いの落とし所としては中々バランスが取れた提案だと思われる、但し、言い方については甚だ大人気無い。
案の定、ペトラのお気に召さなかったらしい。
『えっ、こっちの本物のギレスラお兄ちゃんとそっちのケダモノ丸出しの薄汚い偽者とを一緒に? それ本気で言っているのレイブお兄ちゃんたら…… 正気を疑うわね…… はあぁーあー』
「ちぇっ! 行き詰っちゃったじゃないか、折角良いアイディアだと思ったのに…… 俺が多分に譲ってやったのに」(ボソッ)
『さっさと諦めればいいのよ、こっちが本物なのは鼻のある生き物なら誰だって判るんだもの』(ボソッ)
「なんだよ?」
『そっちこそ何よ、ふんっだ』
一旦少しだけ引く素振りを見せたレイブだったが、一切の妥協を見せないペトラの拘りのせいか再び頑固を取り戻してしまい、事態は完璧な膠着状態に陥ってしまったようだ。
思えばこんな時、頑固な二者の間に入って、明るい声で議題をうやむやにしてくれていたのは他ならぬギレスラだった気がする。
そう考えるとスリーマンセルの仕組み自体もよく考えられているのかもしれない。
互いに違う種族が心から判りあうなんて事が難しいのは当然だ。
ならば最初から我を抑えてチームを尊重する、そんな不文律が自然に働いていたのでは無かっただろうか。
今、カスガイとも言うべき竜種を失ったニンゲンと豚猪が、互いにそっぽを向いたまま一言も発さない姿を見れば、あながち的外れの邪推とは言えないんじゃないだろうか。
ああ、在りし日のギレスラの姿が偲ばれる事この上ない……
改めてギレスラに思う、この度は惜しい竜がお亡くなりになりまして、心からお悔やみ――――
『グガァ、こんな所に居たのかぁー、探してしまったぞー! ん、何だこの肉、朝飯か?』
「っ!」ビクッ!
『っ!』ビクッ!
っ! ビクッ!
判り合えない、いや判り合う気が毛ほども無いレイブとペトラに話し掛けたのは、驚いた事に死んだ筈のギレスラの元気な声であった。
見れば鱗もお肉も確り体にくっ付いているようだし、この分では内臓もきっと腹に収まっている事だろう、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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