【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1347.和解
「んじゃやっぱり誤解だろ、誰が悪いとか誰のせいだとか、そんな話じゃないじゃんか」
干し肉を戻したスープに入った、新鮮な野菜を口に含みながらのレイブの声だ。
かなり気に入ったらしくもう何杯もお替りしている。
アイユの里の豊かな食環境がなせる特別な経験だが、食材だけが美味さの理由ではない。
獣人達を指揮して料理全般の監修作業、所謂、総合プロデュースの大役を務めたシェフの存在が味わいに深みと嬉しい驚きを加えていたのである。
前夜突然目覚めた能力を駆使して、大仕事をやり遂げた総料理長、シェフペトラは沈痛な面持ちで言葉を返す。
『そっか…… アタシの早とちりだったのね…… ごめんなさいね、ミロン、それにブロル』
「いえいえ、もう気にしないで下さいよ、怪我も治して頂きましたし」
「そうですよ、双方の話を纏めて誤解も解けたんですからもう過ぎた事にしましょう、それよりも今後の事ですよね? 大切なのって」
『だな、どうするんだレイブ? グガッこれもう一杯お替りをくれ!』
「うん、そうだな……」
「兎に角! 今まで通りでダソス・ダロスだけが苦しみ続ける、そんな話ならアタシは認めないわよ? だったら一緒にここを出てどこか静かな所で暮らす方が断然マシよ! 石化の谷はぁ、まあ嫌だけどここよりはズット良いわね…… これは譲れないわよ?」
活発な話し合いが行われている、この現状について少し説明しておこう。
ぺトラが暴れ周りダソス・ダロスと数人の獣人が大怪我を負ってから、既にそこそこの時間が経過していた。
皆さんに判り易く表現すれば二時間ちょい、まあそんな所だろう。
毎日夕方に降る『再生雨』から始まった一悶着、気が付けば辺りはトップリと暮れ早くも夏の夜の趣に包まれている。
一時はダソス・ダロスが傷付いた事で怒り狂ったぺトラであったが、蘇った彼に自らが最大のダメージを与えた事に満足でもしたのか、直ぐに冷静さを取り戻し、反省の気持ちをその身で表そうとするかの様に黙々と働き続けたのである。
具体的には先程ご紹介の通り夕食作りのキーマンとして、そして自らが与えた怪我人の治療、つまり罪滅ぼしの為の原状回復要員としてであった。
ぺトラの上級スキル『範囲回復』によって、人的被害の回復は程無く完了した、とは言えまだまだアイユの里には癒し切れない傷が残っていた。
建物などの損壊と、気が狂った豚猪の暴力が見知った大人、それも里の実力者たちをゴミの様に蹂躙する様子を見せ付けられた非戦闘員、とりわけ子供達の心に巣食ってしまった心の傷、トラウマがその最たる物だろう。
この厄介なPTSDに対しては、ペトラ自らがご機嫌とりで作り上げた美味しいお菓子を配って歩いた事で一応の処置が施されていた。
多分、同様のストレスが与えられない限り、心的外傷後ストレス障害を発症する事はないだろう、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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