【2026話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2026.リーチ一発
グラムランドは全身を一瞬でビショビショにさせながらペトラに叫ぶ。
『お、おい黒猪っ! 動きやがったのだがっ? しかも何故かリーチ状態なんだがぁっ?』
ペトラは落ち着き払った声で返しながらそっと後退り距離を取る。
『了解よ、じゃそのままもう一度触ってよろしく♪』
『お、おう…… 頼むぞオイ?』
『よろしくぅ~♪』
軽い感じで有無を言わさない作戦だな、自分は逃げ掛けてる癖にやるじゃないか、ペトラ。
『くうぅっ、ええい、ままよっ!』
勇気を出したグラムランドは見事に振り込んだ、いや、相手の和了が明らかな状況だったな、打ち込むのが正確な表現だったか。
案の定、しすさんはアガリを宣言し始める、所謂ロンって奴だ。
『ビーッ! 警告を無視した侵入者を排除します、『デスサンダースパイク』が発射されます、ビーッ! ビーッ! 発射まで五秒、四――――』
『き、来たぁっ! おい豚っ、頼むぞっ、うああぁっ!』
長い首を丸めて身を縮め小走りに逃げ出す姿はとても王者のそれとは信じられない。
大慌てでレオニードの影に隠れる惨めなザマは、土木作業を終えて野次馬的に見ていたドラゴン達、言わば野次竜共の記憶に深く刻まれる事となった、これもまた暗黒時代の為せる業なのだろうか、恐ろしい。
『任せるのだ! えっとぉ『紫電……』、 じゃなくって『雷光ぉ……』えっとぉ――――』
『『魅了酒作成』! ふぅ、これで大丈夫♪』
考えとけよ、ってか詠唱要らないんなら黙ってやれば良いじゃん? それスキルってよりアスタロト由来の奴だったじゃん? ペトラだっていつも料理しながらずっと独り言喋り続けてる訳じゃないんだからさ!
まあどの道、優秀な妹の酒のカーテンが匂いを遮断したお蔭で事無きを得た訳だ、ギレスラの駄目さは一服の清涼剤、それ位に考えれば良い、つまり取るに足らない瑣末な出来事に過ぎない、気にしない気にしない。
だが、当のペトラは検証結果が気になって仕方ないらしい。
『んー? 中身なしでも結果に顕著な差が? っかしーわね…… 魔力量、かな? レオ兄さんが雑魚過ぎたからなのかしら?』
『ちょペトラちゃん、聞こえてるよ! 失礼だな全くっ!』
『静かにして頂戴っ、今大切な事考えてるのよっ』
『ちぇっ』
『うーん…… やっぱり追加のテストが必要よね…… まずは魔力の少ない方から…… となると』
『ペトラっ! 技の名前が決まらないのだっ!』
怒られるぞ、大事な所らしいからな。
『え? うん、そーね…… 『プラズマバリア』とか『スパークシールド』でどう?』
『おぉ良いっ! じゃあ『プラズマシールド』にするのだっ! サンキュ♪』
『いつでも言ってね♪』
『ちぇっ!』
物の価値はそれぞれだ、仕方ない…… しかし、そんな奴あるぞ? 感染対策用の空気清浄だったか? 怒られなければ良いが……
そんな私、観察者の商標的な懸念を他所に、ペトラはさっさと追加検証を始める。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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