【1968話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1968.禍福は糾える縄の如し
レイブの言葉は続く。
「先の事よりまずは今やるべき事だ、爺さんの望みの一方、ヒュドラの依り代、俺ちょっと取って来るからさ、ペトラが起きたらお前等で仕切っていてくれ」
『取って来る? どこかに行くなら我も一緒に行くのだ、多分、いや絶対ペトラもそーゆーのだ』
レイブの表情が少しだけ緩む。
「ははっ、そーゆーよな! でも通路が狭いらしくてさ、お前等の図体じゃちょっと無理そうなんだよな」
『そうなのか?』
「ああ、ずっと前、爺さんがカメになったばかりの時な、今のお前より随分小さかったらしいんだが中に入れずに諦めたそうなんだ、だから俺独りで行ってくるよ」
『むぅ、心配なのだ』
「子供の頃、倉庫の奥の穴にお前等だけ入れたろ? あれの逆だな」
『あそこはっ! 全員、死に掛けたのだ…… 縁起悪い、のだ……』
ここにきてレイブの表情はもう少し緩む。
「だったな、でもアレが無かったらアスタさんと合体出来なかったかも知れないし、その後出会った奴等とも今ほど親しくなれなかったかも知れないだろ? それこそカタボラと知り合う事も無かったかも知れない」
『それはっ! 嫌なのだ……』
「だろ? だからさ、俺は一つ一つの出来事が良かったとか悪かったとか考えるのは止める事にしたんだ…… そんなのは最後の最後、俺達が死ぬ時まで判り様が無いだろ? そっちは未来の暇な奴等に任せる事にしたよ」
それ、禍福は糾える縄の如しって言うんだぞ。
『そうか…… そうだなっ!』
ギレスラも納得したらしい、恐らくカタボラに出会えた事がメチャクチャ福よりだったからだろう。
「それにな、今やれる事を一所懸命にやっていないと言われるぞ? 立派なニーズヘッグの最後の一頭、ギレスラって奴は気位だけで何もしなかったよな、ってな」
『むむっ!』
「それも自分に誇れる所が無くて暇そうにしてる様な奴等にだぞ?」
『グヌゥ…… ムカつくのだ』
「ぺトラだって同じさ、アリスは凄かったけどぺトラになってからはなぁ~、とかどうだ? アイツ怒るんじゃないか?」
『考えるまでも無いのだ』
「だろ? だから今出来る事を一所懸命にやるんだよ、たとえお前達と一時離れ離れになってもだ! 未来の奴等に暇潰しで笑われるのは御免だからな」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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