【1848話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1848.ミラクル -奇跡ー
まるでタイミングを見計らったかの様に鳴き声を上げるテューポーンに被せたのは無駄なく移動していた直前までの敵、ペトラである。
『あっ! お兄ちゃんっ! こんな所っ! 椎の木一本生えていない荒野に、こ、こんなに沢山のドングリがぁっ!』
驚愕を報せる声は続く、これはミロブロだな。
「うおぉっ、まさかっ! なあブロル、これって湧き水だよな? なぁっ?」
「確かにっ! まさかこんな所に清浄極まりない浄水が湧き出でているなんてなぁっ! ビックリだぜぇっ!」
「なぁっ? あーマジかー、ビックリー!」
極北の大地、特にツンドラとかステップとか呼ばれる低山と平原、まあこの辺りでは水は滅茶苦茶貴重なのである。
雪や氷に閉ざされている冬場ならまだしも、地面が顔を出し草花が伸び始めるこの時期では尚更なのだ。
何故ならぬかるんだ湿地の水場は漏れなく、腐っているからである。
幾つもの季節の移ろいの中で、ここらで死んだ死体や枯れ木、喰い残しの死肉や臓物、糞尿に湧き出たタール、雑多で様々な毒や腐水や可燃物や致死性の瘴気、それらが新たな殺意を取り込む春夏、塵や埃、大気中の汚れなんかがあってもまだ飲める範疇の雪、氷はこの地から消え失せる。
雨以外に恵みと呼べる潤いが消失した大地で生き物は漏れなく渇く、渇き捲る。
皆さんの時代にここらに住んだ露助達は一所懸命に雪解け水を溜め込んだり、川から引いた生水を必死に漉して煮沸したり、終いには白樺とかから樹液を抜いて飲み水にしたりしていた位、それ位の限界オーバー、生存無理ゲーな土地がこのカムチャッカだったのである。
まあ、副産的に歯が丈夫だったり美肌だったりしたりもした、煮詰めた白樺の樹液には例の奴、キシリのトールさんが含まれているからだが、清浄な水がいつでも飲める列島の皆さんから見れば、可哀想、若しくは何でそんな所に…… 馬鹿なの? 正直そんな感じではなかろうか?
で、そんな地獄の土地から出た湧き水ぅ? 飲めるのか? 死ぬだろ……
で、普通はそうであるが今回見つけた水源に限っては大丈夫そうだ。
何故なら大きな声で発見を伝えたミロンの手元、つまり水と氷の悪魔入りが差し込んだ地面から、はっきり言えば掌からザバザバ流れ出ているからである。
つまり、スキルで出しているだけ、寸借詐欺的な手法で生まれた水だからだったからなのだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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