【2120話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2120.リジュヴィネイト
昔馴染みで幸福寺の仲間だと言うのにビビリ捲るキトラの姿…… まあこれも仕方がない、なにしろスプラタ・マンユの兄妹でも一目置かれていた位の暴君、それがラマシュトゥだからだ。
兄や弟たちに対する物怖じしない態度は勿論、あのコユキに向かってすら言うべき事は言う、そんな無茶さが散見されていた程の命知らずなのである。
無自覚なまま、往時と同じ嫌ぁな視線を続けるラマスにエバンガもキトラも目を伏せたまま後肢の痛みに耐えるしかない、膠着しそうな突破口はラマスの背後、ラスヴィルカ鉱山の掘削口、その随分下側、大体足元近くから掛けられた声であった。
『ね、ねぇラマス? アタシ、何か縮んだみたいなんだけど…… 何で?』
声の出所は巨大な黒い箱状のモノからである。
見た感じは別段珍しくも無い形状、死体安置用の木製箱、所謂、棺桶であるが、特筆すべきはそのサイズである。
家庭用なら巨大、学校とかにあるならまあ小ぶり、そんな風に表現されるサイズのプールを伏せた感じ、そう言えばそのデカさが伝わるであろうか?
巨大で用途不明の五角形、コフィンの棺桶が逆さになって自走し、更に話したのだがラマスは落ち着いた声で返す、何故なら掛けられた声がペトラの物だったからだ。
「あ、ゴメンね! そっちにも掛かっちゃったかぁ…… すぐ戻すわね、エバンガの横に行ってくれる? ヨイショ!」
巨大な箱を片手で持ち上げるラマス、流石に物流業に従事していただけはある、大した膂力だ。
『ふぅ~驚いたわよ? それにしても…… 全てが大きく見えるわね…… 新鮮だわ、まあ前回の転生後も同じ感じだったんだけどさ…… 矮小なカメムシすら偉大っぽく見えるなんてねぇ……』
さらっと嫌な事を洩らしたペトラはレイブ達に出会った直後バリに幼猪丸出しである、どうやら『弱体治癒』に巻き込まれたらしい、それで結構可愛い。
カメムシはいつもと違って言い返す事もせずに俯いてプルプルしている、それほどラマスが恐ろしいのか、又はやはり肢の形状が正座に向いていなかったかのどちらかだろう。
事情を察していないミニペトラは見るからにつまらなそうな顔でエバンガの横まで歩き、ラマスを振り向いて言葉を発する。
『ねえ、アタシもちんちんかいた方が良いのかな?』
「ううん、楽な姿勢で良いわよ」
『そうなの?』
言いながらミニペトラは足を投げ出した座り方、所謂、長座位やペタンコ座り、赤ちゃん座りをする。
同時に足を崩すエバンガとカメムシ、限界だったのだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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